個性魅了の彼女【ヒロアカ】 (ページ38)

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1.轟焦凍の場合ページ38

「轟くんって、女の子のこと可愛いとか思う?」

じぃっと、俺の机の傍でしゃがんで
上目遣いで見てくる。

一体、どういう意図で聞いているのか。

俺は、彼女、魅川Aを可愛いと思っている。

「普通に思うが?」

なにやら、クラスメイトの視線が痛いが
こちらもどういう意図で見ているのか
俺にはわかんねぇ。

「へぇ!ちなみにどんな時?イケメンが可愛いと思う瞬間、後学のために聞かせて!」

キラキラしている。

桜色の瞳も

蜂蜜色の髪の毛も

その笑顔も

「…今、可愛いと思っている」

素直に言ってみれば
魅川はぽかんとして

「えっ…と」

と小さく呟くと頬が徐々に染まっていき
おろおろと目線が泳ぎだした。

なにか、まずいことでも言ったのだろうか。

「轟ぃ?!え、お前何言っちゃってんの?!」

上鳴が焦ってるような慌てた表情で聞いてきた。

やっぱり、発言がまずかったのだろう。

「悪い。思ったことそのまま口にしちまった」

そう返しながら、次の授業の準備をする。

次はプレゼントマイクの英語か。

ゴソゴソ机の中から教科書を出してから気付いた。

視線が痛いどころじゃねぇ。

「こんの…クソ舐めプ野郎がァ!!」

「イケメンずりぃわ!!まじで!!」

「イケメンなんか滅んじまえぇぇ!!」

爆豪の目が凄いことになってる。
上鳴と峰田も目が血走っていた。

緑谷に助けを求めようかと思って見るが
なにやら顔を真っ赤にして硬直している。

仕方ない…じゃあ八百万に聞くか…と思って隣を見るが
こちらも同じで話にならない。

「魅川、悪かったな。変なこと言って。」

とりあえず、謝っておくか。

そう思いながら言葉にすれば
魅川はぶんぶん手を横に振って

「全然!むしろありがとう」

と頬を染めて笑ってくれた。

やっぱり、魅川の笑った顔は

他の誰よりも可愛い。

なんだか再認識してしまった。