個性魅了の彼女【ヒロアカ】 (ページ4)

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3. 相澤消太の場合ページ4

「もう、ダメ…泣く、こんなの無理…っ」

今日の訓練では、個性伸ばし訓練の一環で
訓練ロボットが導入されているうえ
口田くんが大量の鳥を操っている。
何を隠そう、彼は私の天敵だ。

私の魅了は動物やAIにも辛うじて効き目はあるのだが
人間相手より遥かに操るのが難しい。

動物は警戒心が強いため基本、青で
餌付けしたとこで黄色までしか上がらない。
AIロボットなんか真っ黒か青でほぼ揺らがない。

黒と青だけの世界は
とんでもなく気分が悪くて
私にとっては、地獄だ。

「あのな…初めて合う敵が、皆お前に好意的なわけないだろ」

相澤先生に呆れながら言われた。
確かに、敵連合の死柄木や黒霧は黒と青だった。

「でも…っ、今まで会ったほとんどの敵は、黄色以上だったもん!!なんなら、ピンクもちらほらいたからぁ!!!」

私がうわーんと泣き叫べば

「さすがA、面が良い!!」

三奈ちゃんが茶化すように拍手して

「いや、敵がピンクはやばくねぇ?」

と、瀬呂くんには心配された。

相澤先生が額に手を当てて、呆れているのが見える。

「うぅ…やば、もう気持ち悪い」

「その環境に慣れろ」

「…せめて、誰か紫かピンクをちょうだい!!」

うるっと目に涙を溜めて三奈ちゃん達を見るが
皆に一斉に視線を逸らされた。
酷いっ!!

こうなったら、相澤先生でも見てやれば
抹消使われて、この青黒の世界もなくなる!
と思った瞬間、目の前に現れた大量の鳥。

つまり、大量の青…

もう、無理…っ

ぐるぐる目が回り、私は意識を手放した。

次に目を開けると、見覚えのある天井とベッドで
医務室だと認識する。

「起きたか」

声の方を見れば、髪を括った相澤先生がいた。
デスクにパソコンがあるので
恐らくここで仕事をしていたのだろう。

「すみません。」

まだ、くらくらする。
ゆっくり身体を起こして窓を見ると
暗かった。

「まさか、こんなに寝ると思わなくてな。すまん。寮の部屋の方が良かったな。」

そう言いながら、相澤先生はパソコンを片付けている。

本当、申し訳ない。

「総評は…、言わなくてもわかってるな?」

「うっ…、はい。メンタル鍛えます…。」

しょんぼりしてれば
ポンと頭に手が乗った。

「わかってりゃいい。帰れるか?」

「…はい、大丈夫です」

と言った割に
思いの外、身体は大丈夫ではなかったようで
ベッドを出た際に足が縺れる。

ぐらっと揺れた身体は
骨張った手に支えられ
意外にも筋肉質な身体に受け止められた。