9.ホークスの場合 ページ30
「常闇と魅川、ホークスからインターンの申入れが来てるが、どうする?」
相澤先生に言われて、常闇くんは即答していたが
正直、私は気が重たい。
「えー、Aすごいじゃん!ホークスからなんて!」
「いいなー!ホークスカッコいいよねー!」
三奈ちゃんと透ちゃんが言ってくるが
私は眉間にシワを寄せた。
「相澤先生、それって行かなくてもいいんですよね?」
「「「「「えー!?行かないの?なんで?!」」」」」
相澤先生の答えの前に
そこで聞いていた皆がツッコんでくる。
常闇くんは私の気持ちを知ってか黙ってた。
いや、正直、今の私じゃ仕事にならん。
なんか、めっちゃ意識してるし。
『次、会う時は俺に惚れとーかもね』
先日のベランダでの出来事を思い出す。
いや、無理!!
「やっぱり、行けません!私は!」
きっぱりそう言えば
相澤先生は眉間にシワをよせ
三奈ちゃん達は目を丸くしてる。
「魅川…、顔真っ赤だぞ」
相澤先生から指摘され
思わず顔を両手で隠した。
「と、とりあえず…断っといて下さい…っ！あの人、ほんと、無理なんで!」
慌ててそう言えば
ピコンとスマホが鳴り
それを確認した。
ホークスインターン、来ないとかナシだよ
な!!
タイミングよすぎる!!
もしや、どこかで聞いているのか?!
はたまた、盗聴とかされてる?!
あわわ、とスマホを見ながら震えてると
常闇くんにポンと肩を叩かれた。
「ホークスから、魅川も連れてこいと命ぜられた。行くぞ。」
常闇くんは、どうやらホークスに魂を売っているらしい。
「すみません…、やっぱりいきます…。」
半泣きで相澤先生に言えば
相澤先生は呆れたように溜息をついた。
「…わかった。まぁ、あんまり公私混同しないように。ホークスにも一応釘をさしておく。」
そうは言ってくれたが
それはあの人を余計煽るだけではないか?!
「あ、相澤先生っ!!お願いします!どうか、私が行きたがってなかったとか、余計な事は絶対言わないでください!!」
泣きべそ顔で、相澤先生の腕にしがみつけば
めちゃめちゃ嫌な顔をされたが、わかったと頷いてくれた。
「あぁ、もうインターンほんとやだ…」
ソファにだらけて座れば
三奈ちゃん達がニヤニヤしてくる。
「え、A、ホークスに口説かれてんの?さすが魅了!」
「…違うよ、私が魅了されかけてる。…屈辱だわ。」
きゃー!と三奈ちゃん達が騒ぎ出したが
私はぼけっと赤い鳥を思い浮かべていた。
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作者名：chieko | 作成日時：2024年3月6日 15時
