2.爆豪勝己の場合 ページ14
「ねーねー、爆豪くん」
「ンだよ」
面倒くさそうに、眉間にシワを寄せて
目線だけ向けてくる。
今一番、色が気になっている人。
彼の言動と態度、いまいちよくわからない。
自分に好意的かどうかも不明だ。
暴言は凄いし
私を見る目は面倒くさそう
まともに名前を呼ばれたこともない。
かと思えば、食堂で隣に座っても何も言わないし
ご飯食べ終わるまで待っててくれたりもする。
意外と優しい。
現に今こうやって、
放課後残ってまで私の勉強に付き合ってくれている。
「わかんないんだよね」
「どこがだよ」
「爆豪くんの気持ちが」
じぃっと見れば
爆豪くんは目を丸くして固まった。
「青っぽいときもあれば、黄色っぽいときもあるし、紫かな?と勘違いしそうにもなる。君は本当に難しい問題だよ。」
溜息を吐いて、残りの問題を解こうとすれば
今度は爆豪くんがじぃっと見てきた。
「青だったら、どうなんだよ」
「えー、それは悲しい」
「黄色」
「んー、まぁ、そんな感じかなって納得する」
「…紫」
「え?!すっごく嬉しい!!」
「…それ以上だったらどうなンだよ」
爆豪くんの言葉に
今度は私が目を丸くした。
それ以上ということは、ピンクor赤?
え、その可能性があるってこと…?
爆豪くんが、私を…?
途端に意識してしまって
ボンッと顔が爆発したように熱くなった。
その顔を見て、爆豪くんは一瞬驚いた顔になったが
すぐニヤリと笑い、頬を抓られた。
「ンなわけねぇだろ。」
な、なんなんだ!
本当に爆豪くんはわからない!
でも、抓られてるってよりは
頬を指で触られてるような優しい感じで
何より触られている箇所が熱い…
「意地悪、じゃあ見せてよ」
「見たら二度と勉強教えねぇからな」
む、むかつく…!!!
けど、爆豪くんに教えて貰うこの時間好きだしなー…
「本当、気になるわ。爆豪くんのこと。」
ポツリと何気なく呟いたら
爆豪くんは口元を隠しながらそっぽを向いた。
「そうかよ…」
「なに?照れてんの?それとも吐きそうなの?」
本当にどっちかわかんなくて
眉間にシワを寄せて聞いたら
爆豪くんにスパーーンと頭をどつかれた。
「どっちでもねぇわ!!いいから、はよ終わらせや!!」
うーん、やっぱ嫌われてんのかな。
本当、人の気持ちって難しい。
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作者名：chieko | 作成日時：2024年3月6日 15時
