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──ねえ、業。
高校受験どうするの?
──俺は椚ヶ丘高校に行くよ。
──ああ。業らしいや。
──Aは?
──え、私?私はねぇ…
──ねぇ、業。
ココ教えて。
──なんだ。Aも分からなかったの?
俺もいまいちよく分かんないんだよねー。
──ちぇっ。……役立たず。
──おいなんか聞こえたぞー?
──気の所為気の所為。
──嘘つけ!!
──あははっ!
──ねぇ、業。
──ん?
──なんでもない。呼んだだけ。
──あっそ。……ねぇ、A。
──ん?
──なんでもない。呼んだだけ。
──あっそ。…ふふっ。
────ねぇ、業。
走馬灯の様に、楽しかった思い出が脳裏を駆け巡った。
そっか。俺……
許してもらえなかったんだ。
分かっていたはずだった。
俺達がやったことは許されないことだって。
でも、脳の片隅で期待してる俺がいた。
中村みたいに、Aなら…って。
「なんで泣いてるの。」
自分の顔に触れた。
いつの間にか、自分の頬を涙が濡らしていた。
「今まで、ごめん。」
もう、以前のように「ねぇ、業」って呼んでもらえる日はやってこない。
今になって、本当に今になって、俺がやってしまったことの重大さに気がついた。
本当に俺は許されないんだってことを実感して、やっと分かった。
俺とAと2人で幸せになる未来は一生やってこない。
胸が潰れそうだ。
今すぐ、泣き出してしまいたい。
俺は、Aの真っ黒な瞳を見て言った。
今更遅いけど…
「君のことが好きでした。」
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栞 - すごくいい作品でした (2018年10月1日 0時) (レス) id: fc94cb1f8d (このIDを非表示/違反報告)
ハヤテ - 号泣したー 。・°°・(>_<)・°°・。 (2018年7月25日 16時) (レス) id: f0adf48f80 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 神作品やー!! (2018年4月15日 11時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 実際泣いた…裏切り小説の中で一番泣ける話…高評価付けるしかないよ…身内起きるから大声で泣けない…(泣) (2017年8月5日 4時) (レス) id: 29db77e580 (このIDを非表示/違反報告)
黄龍 - うぅ...泣ける...!私が涙もろいだけかもしんないけど、裏切り系を最後まで読むと必ずと言って良いほどの確率で泣く。すごく良いお話だったと思います。 (2017年2月24日 2時) (レス) id: 2b59e0c15f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:osaga | 作成日時:2017年1月18日 21時