【d!】軽く病むくらいが丁度いい。【合作】 (ページ11)

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それは敬愛に似た＿＿ /gr ページ11

清々しいほど快晴なとある朝。

『よ！グルッペン。まーた書類に追われてんのか？』

総統室に元気な声が響き渡った。

「A！？お前、いつの間に帰ってきたんや……」

総統グルッペンは大層驚いたようだった。

それもそうだ、Aは潜入や偵察を主に行動するので滅多に基地に居ない。

そして、気配も薄い。

そんな人がひょっこりと、何の連絡もなしに帰ってきたらそれはそれは驚くだろう。

『ははっ、予想以上に驚かせたみてぇだな。ほら、詫びのシフォンケーキだ。』

Aが手に持った白い箱をちらつかせると、グルッペンは目を輝かせた。

「おお、では二人きりで茶会としようか。」

『エミさんやオスマンは良いのか？』

「なんや、二人きりじゃ不満なんか？」

『いいや？』

悪戯っぽく笑うAに、グルッペンは仲間にも滅多に見せないような優しい笑みを浮かべる。

Aは建国当時からのメンバーであり、そしてグルッペンの幼馴染み。

そんな彼が無事に帰ってきたことに、グルッペンは心底ホッとしているのだった。

『……小さい頃はあんなに泣き虫だったのになぁ。こんな立派な総統になって。俺は嬉しいぞ。』

「誰目線やねん。」

うんうん、と頷きながら紅茶を啜るAにグルッペンは茶々をいれる。

あ”ーっはっはっー、とどこぞの狂犬チワワのような笑い声を響かせた後、Aはティーカップをコトリと置いた。

『……ふぅ。さてと、俺はもう行かないと。α国だったよな次は。』

「……もう、行くんか。」

『ああ。忠誠を誓ったグルッペン総統サマのために、な？』

そう言って、Aは下手くそなウインクをしてご馳走さまと部屋から出ていった。