【d!】軽く病むくらいが丁度いい。【合作】 (ページ5)

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A視点

お嬢様が魔女裁判により火あぶりの刑にされるのを後ろからその姿を見ていた。

正直に言うと俺が仕えている家は可笑しかった。

どこら辺がおかしいかというと詳しくは言えないが一言で言うならそうだな「狂っている」って言葉が合っていた。

サヨお嬢様も例外では無かった。お嬢様はシャオロンのことをなんとしても手に入れると考えていたのか俺にシャオロンの情報を何度も聞き出してきた。

まさか洗脳に走るとは思わなかったけど。

でもよくよく考えればなんで洗脳薬なんか持ってたんだ？普通なら流通してないし闇市なら売ってるかもしれないけどお嬢様は外に出たがらなかった。

考えるなら一つ。

シャオロン自身が自作自演でお嬢様を陥れた。

勝手に魔法薬の書を読んだことに関して呆れてはいるものの弟子が難しい薬を1人で作ったことに誇りを感じている自分もいる。

例えシャオロンが俺に対して好意を持ってるのは知ってる。

昔シャオロンが覚えてないくらいの時に教えてもらったからだ。

『なんでシャオロンは俺のこと魔女様って呼ぶの？』

『だっておれAのこと好きやもん！おれのことをゆうわく？したAは魔法使いやなくて魔女様の方が合ってるから！』

まぁ昔の面影は今は殆ど見る影が無いが俺にとっては大切な弟だし弟子だし好意を持ってくれる人であるから。

「多少の重い愛情くらいなら見逃すよ。」

重すぎるのは俺からは返せないし軽すぎるのは返し方が分からない。

だから抱え切れるくらいの愛だけが欲しいってのは言わないでおこう。

「シャオロン、俺も好きだよ。」

これだけは確かな思いである。