人間と妖怪とあやかしと。 (ページ7)

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第七話ページ7

ーーーーーー『んで、水木さんは何しにこの村に来たの？』

「…俺は先にお前らの話が聞きたいんだが…
　話してくれたらそこから出してやってもいいぜ？」

あらら、話してくれないか。もしかして警戒されてる？
…まぁ、出してくれるって言ってるし、いっか。

『じゃあ、自己紹介から始めたほうが良さそうだね。
　私はA。こっちは親友のゲゲ郎。
　私たちは探し物をしにこの村に来たんだ。』

「探し物…もしかしてMか⁉︎」

急に立ち上がる水木さん。どうやらこの人も何かを探しているらしい。

『いや、私たちが探してるのは人。
　私の親友で、ゲゲ郎の奥さんだよ。』

「なんだお前、かみさんに逃げられたのか？」

「違うわ！とある理由で生き別れになってしまったんじゃよ。
　ほれ、これが写真じゃ。」

するとその写真をぱっと奪いとり、明るいところに持っていく水木さん。

「どれどれ… 美人だ。」

おっ、あの人間、よくわかってるじゃん。
心なしかゲゲ郎も少しドヤ顔になっている気がする。

『水木さん、ちょっと聞きたいんだけど…さっきのMって何？』

「あぁ、龍賀製薬が販売している不老不死の妙薬と呼ばれている薬だ。
　流石に不老不死とまではいかないが、日本が戦争で勝てたのも
　Mがあったからこそだろう。」

『「不老不死…？」』

私とゲゲ郎の声が重なる。
これは少し…いや、かなりまずいかもしれない。
嫌な予感が的中していないといいんだけど…。

　
『ほら、私たちから話したよ。ここから出してくれない？』

「あぁ… 明日な。」

そう言って寝巻きに着替えだす水木さん。

いやいやっ、ちょっと⁉︎
私バリバリの女子なんですけど？？？忘れてます？？？
…深く考えないようにしよう、
後ろを向いてくれてるだけまだマシなはず…。

時折見える傷跡とサラリーマンにしては鍛えられた体。
さっき出されたご飯も早食いしていたし、戦争帰りの元軍人か…？

そんなことをのんきに考えているうちに、もう布団を出して寝ようとしている。

「…騙したのか」

ゲゲ郎がそう問う。

「確かにお前らは人殺しじゃなさそうだ、お人好しすぎる」

水木さんはそう言って灯りを消し、眠りについた。