人間と妖怪とあやかしと。 (ページ5)

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第五話ページ5

その瞬間、ﾊﾞｯと隣の男…いや、ゲゲ郎が振り向く。

「おぬし…もしや、もしやAなのか⁉︎」

ああ。やっぱりゲゲ郎だ。

やっと会えた。
やばい、なんか目頭が熱い。

ちょっと泣きそうになっていることをキミに悟られたくなくて、少し強がってみる。

『そうだよ〜？隣にいても気づかないなんてひどいなー、ゲゲ郎は。』

「すまぬ、古い友人からこの辺りで岩子の気配を感じたと聞いてな。
　そのことで頭がいっぱいだったんじゃ。

　でもまさか、ここでAと再会できるとは… うっ、うぅ〜っ…」

そう言って泣き出すゲゲ郎。
岩子も言ってたけど、相変わらず泣き虫だなぁ…

この日常が幸せだ、としょっちゅう泣き出すゲゲ郎を
よく岩子と2人で笑いながらなだめていたっけ。
懐かしいな…あれからもう何年たったんだろう。

『ほらほら、泣かないでよ。

　、、、今泣かれると私も泣きそうになるじゃん…っ』

あー、ほんと…会えてよかった。

ーーーーーーー「すまん、水を差すようで悪いんだが…お前ら知り合いなのか？」

突然泣き出すゲゲ郎といまにも泣きそうな涙目の私に水木という人が戸惑う。
ま、フツーの人間ならそりゃそうなるよね。

…これはあくまで推測だけど。もし、、、
もし岩子がなんらかの人物に捕らえられていたとしたら。
この人間はいい人質になるな…
それに人探しは人数がいたほうがはかどる。

とりあえずゲゲ郎と相談した後、この水木という人間と情報共有がしたい。

『えーっと、水木…さん？
　あとで色々説明するから、今は何も聞かないでくれるかな。』

「あ、ああ。分かった。夕飯食った後でいいか？」

『ん、いいよ。』

そうして2人で泣いた後、私はゲゲ郎と情報共有を始めることにした。