人間と妖怪とあやかしと。 (ページ4)

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第四話ページ4

ーーーーーー「大変だ、時麿様が…！」

「なんということだ…」

そんな声で目が覚めた。
全く、ここは朝から騒がしいな…

今日の騒ぎといい、妖怪といい…
やっぱりこの村は普通じゃない。

『今日の夕方頃に隙を見て抜け出したいところだけど、どーしよっかな…』

ーーーーーーｺﾂｺﾂ…ｺﾂ…

足音が聞こえる… っまさか処分される…⁉︎

ｶﾞﾁｬ

昨日の茶髪の男が入ってくる。確か長田とか言ったかな…

「牢屋が一つしかないのでここに入れるしかありませんね。
　では、水木様にはこの男の監視をお願いしたく…」

「えっ、俺ですか？」

会話を聞くと、どうやらまた怪しいヤツを捕まえてきたらしい。
しかも監視付きときている。

ま、処分じゃなくて助かったけど。

「オラ、さっさと入れ！！！」

ﾄﾞｶ、ﾊﾞﾀﾝ！！

「では、私たちはこれで。
　水木様、あとで布団をお持ちいたします。」

そう言い残し、男たちは去っていった。

でもまさか、私以外に2人もよそものがいるとはね…。
1人は水木って人で、捕まった男の監視役らしい。

もう1人は捕まったらしく、私の隣で大人しく座っている。
いったいどんなやつなんだろ…暗くてよく見えないな。

好奇心で目をこらし、隣の男をよく見てみる。

『…っ！』

アホ毛はあるがサラサラしていそうな白髪。
少し着崩している次縹色(つぎはなだいろ)の着物。
左手首にまいた黄色い組紐。

…間違いない。

ずっと。ずっと探していた親友の1人とまったく同じだ。

まさかこんなところで再会するとは信じがたいが、
どうか、どうか君であれと思いながら名前を呼ぶ。

『久しぶりだね、ゲゲ郎。』