人間と妖怪とあやかしと。 (ページ3)

今日:27 hit、昨日:36 hit、合計:7,332 hit

第三話ページ3

「怪しいよそものですって…？まったく、今日はただでさえ
　水木とかいうよそものを克典が連れてきたというのに…」

「お忙しい中申し訳ありません、奥様。この者の処遇を決めていただきたく…」

縄で縛られた私は、龍賀乙米と呼ばれた人のもとに連れて行かれた。
龍賀一族…聞いたことがある名前だな…。
確かかなり利益をあげている薬の会社だったはず。

でもこの人は…

一目見ただけでわかるくらい強い恨みの怨念がついている。
この人、かなり恨みを買っているな。

この恨みが誰のものかはわからないけど、龍賀一族…
この一族は、何か裏がありそうだ。

要注意人物ってとこかな。

「とりあえずおこもりが無事に終わるまで牢屋に入れておきなさい。
　処遇を決めるのはその後よ。」
　

「はっ」

ーーーーー「オラッ、大人しくしてろよ！！！！」

ｷﾞｲｨ…ﾊﾞﾀﾝ

牢屋の扉が閉められる。なんとか殺されることは免れたようだ。
今日はこのお屋敷の人達がバタバタしているし
まだ抜け出せそうな雰囲気じゃないな…

『仕方ない、この地の妖怪に話を聞くのは明日の夕方頃にしようかな、』

そんなことを考えていると、

ｵｵｵｫｫｵｵｫｫｵｵｵｯｯｯ！！！！！！！！

突然地鳴りのような音が響き渡った。

それと同時に感じたケタ違いの妖力…

『まさか…妖怪…？』

どうやらここ、哭倉村にはかなりの妖力を持った妖怪がいるらしい。
さっきの龍賀乙米という人間についていた怨念のことも気になる。
…無事でいてくれるといいんだけど。

『岩子…もう少し待ってて。絶対助けるから。』

色々なことを考えつつも、私は明日の夕方に備えて眠ることにした。