人間と妖怪とあやかしと。 (ページ11)

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第十一話ページ11

「う…ん…？」

『あっ、起きたね。大丈夫？』

「どわっ⁉︎あれ、ここは…っ？それに、何だったんだアイツらは…」

起きたばかりで混乱しているのだろう。
見られてしまったのなら、私たちの正体と妖怪の事について話したほうが良いかもしれないな。

『水木さん、落ち着いて聞いて。あれは…』

「大変だ！！！！丙江様が木に！！！！」

「いやぁぁああぁ！」

私の声が悲鳴でさえぎられる。なんだなんだと家から出てくる村人たち。また何か起こったようだ。
私たちは現場に歩みを進めた。

悲鳴が聞こえてきた中心には大きな木がそびえたっており、人が突き刺さって死んでいた。
しかも鴉に目玉を食われているな。
……また龍賀の人間だ。

『酷いもんだね。』

「ああ、到底人の仕業とは思えんな。」

「人の仕業じゃない…⁉︎じゃああれはっ…お前らは一体なんだって言うんだよ⁉︎」

千鳥足のようなふらついた足取りでそう問う水木さん。

「あれは妖怪の仕業であろう。そして幽霊族であるわしも妖怪と同じようなものじゃ。あやかしであるAもな。」

それを聞くと大きくふらつき、ﾊﾞﾀﾝと倒れた。無理もない、失神したのだろう。
とりあえず私とゲゲ郎は水木さんを抱え、説明するために人気のない場所に向かう。

水木さんが目を覚ますと、私たちはあそこにいた妖怪のことについて一通り説明した。そこでようやく理解してきたのか、彼が口を開く。

「なんでお前たちは俺を助けた？」

「……憐れみをかけた。」

「お前…っ！」

水木さんがゲゲ郎に掴みかかる。だが冷静になったのか、すぐに手を離す。そのあと少し考えたような顔をし、私たちにある提案を持ちかけてきた。

「お前ら、俺と組まないか？俺はMを、お前らは妻であり、親友であるあの人を。俺は明日、沙夜さんに色々聞いてみようと思うんだが。」

沙夜さん…龍賀沙夜か。正直、龍賀の人間から直接情報が手に入るのはありがたい。それにこの水木とかいう人間、いちいち私たちを探しにきたり、あの孤島まで追いかけてきたり、あんがいお人好しだ。

そんなに悪い人間ではない気がしてきた。

『私はいいよ。ゲゲ郎は？』

「ふむ。まぁよいじゃろう。」

私たちは手を組み、それぞれの探し物を探すことにした。