【僕のヒーローアカデミア】HEROS (ページ9)

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7話ページ9

それから、

10ヶ月の月日が流れた。

ーー入試当日

出久はなんだか逞しくなり、

かっちゃんは出久に突っかからなくなった。

私も、受験が近づくにつれて、

2人とはなんとはなしに話さなくなった。

いや、私が避けていたと言うのが正しい。

2人とも真っ直ぐ、強い意志でヒーローを

目指していて、私は自分が恥ずかしくなった。

だから、合わせる顔がなくなったというか...

もともと一緒にいたら駄目だったのかもしれない。

｢...雄英、落ちるといいな...｣

もちろん、私だけ。

緑谷｢...あ、Aちゃん！｣

｢...出久｣

最悪だ.......

そんなキラキラして目で.....

私を見ないで...

ぎゅっと、無意識に左の手首を握る。

昔切った傷を見て安心してしまう。

そして不安を感じてしまうと思わず強く握って

ピリピリとした痛みを感じて不安を紛らわせる。

ー私の、癖だ。

緑谷｢？

Aちゃん、大丈夫？

最近すぐに帰っちゃうから中々話せなくて...

.....試験、お互い頑張ろうね！｣

｢.....そうだね、頑張ろうね...｣

苦しい、出久やかっちゃんを見ていると

胸が痛い。

緑谷｢...Aちゃん、本当に大丈夫？

最近ずっと顔色も悪いし、

なにか無理してるんじゃ...｣

｢なんでもないから、じゃあ頑張ってね。｣

緑谷｢え、まって！！｣

そして私は走って出久を振り切った。

｢.....はぁ、はぁ.....｣

出久.....ごめんね...

私今すぐ帰りたいよ...！

｢ふ、.....ぅ.....｣

溢れ出てくる涙を制服の袖でゴシゴシと拭いた。

ーーそうして憂鬱な気分の中私たちの試験は

始まったのだった...