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「でっけ…」
『初めてだっけ?』
あたしの家を見上げてカルマがそう呟く。
ああそっか、あのときカルマいなかったもんね。
あんなに仲悪かったのに、
今じゃ付き合ってるんだもんなぁ。
人生ホント何があるかわかんないよね。
『さ、入って〜』
ドアを開けて中へ促すと、
カルマは恐る恐る足を踏み入れた。
「おじゃまします」
廊下を歩くと、後ろからカルマがてくてくとついてくる。
「おかえりなさいませ、A様。
お友達の方ですか?」
通りがかった執事に見つかってしまった…。
『ただいま。
こっちは彼氏の赤羽カルマ』
「A様の恋人の方でいらっしゃいましたか。
赤羽様、はじめまして。このお屋敷でお仕えさせて
いただいております西条と申します。
どうぞお見知りおきを」
一瞬首を傾げた執事は、深々とカルマに頭を下げた。
「あ…、や、こちらこそ…」
めちゃめちゃたじろいでる…。
そんなカルマが珍しくて、思わず微笑んでしまった。
「赤羽様のお召し物が濡れているようですが…」
『ああそうなの。
だからシャワーを浴びさせるよ。
その間に制服を洗って乾燥させておいて』
「かしこまりました。
それでは後ほど伺います」
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作者名:神川夏海 | 作成日時:2021年2月28日 22時