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597.業side ページ24
「さあて、トドメに入ろうイトナ」
殺せんせーの触手は、もうこれ以上ないほどに膨らんでいる。
俺の作戦を伝えた寺坂は、Aの岩場の近くに降り立った。
そこだ、その立ち位置が重要だ。
これはほとんど賭けになるけれど。
「おい！！」
「寺坂くん」
「よくも俺を騙してくれたな！！」
「まぁそう怒るなよ。
ちょっとクラスメイトを巻き込んじゃっただけじゃないか。
E組で浮いてた君にとっちゃ丁度いいだろ」
ちょっとって…。殺しかけておいて？
「うるせぇ！！てめぇらは許せねぇ」
寺坂はシャツを脱いで、Aの岩場の横に立った。
そうこれは、ほとんどが賭け。
渚くんの言っていた、Aに触手が行かないよう気をつけている。
それとAを助けたこと。
だから恐らく、Aのそばにいれば全力の触手をうけることはない。
イトナがAを巻き込むことを恐れているから。
最小限のダメージで済むはずだ。
最小限のと言っても恐らく、気絶程度だろうけど。
「イトナ！てめぇ俺とタイマン張れや！！」
イトナがふらりと寺坂の方を向くと、
慌てて殺せんせーからの制止が入る。
「やめなさい寺坂くん！！
君が勝てる相手じゃない！！！」
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作者名：神川夏海 | 作成日時：2021年2月28日 22時
