学秀くんの許嫁がE組にやって来ました Part14 (ページ22)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:25,700 hit

595.業side ページ22

「寺坂くんに手伝ってもらって、

まんまと上手くいったね」

イトナはスルッと触手を出すと、

立ち上がってゆっくり殺せんせーへ近付く。

…なんとかAを上に上げる方法はないか…？

あのままじゃ場所が危険過ぎる。

「イトナくん…」

「さあ兄さん。どっちが強いか改めて決めよう」

ひゅんひゅんっと

以前よりも格段に早くなったイトナからの攻撃に、

殺せんせーは防戦一方だ。

「カルマくん、」

と渚くんが声をかけてくる。

「なに？」

「多分Aは大丈夫だよ…。

イトナくん、さっきからずっとAの方に

触手がいかないよう気をつけてる」

はぁ？なにそれ？

そういう問題じゃない。

俺が、イトナのそばに、Aを置いておきたくない。

「触手の数を減らし、その分パワーと

スピードを集中させた。

単純な子供でも操りやすい」

シロの言葉に、周りのみんながざわつく。

「まじかよ…」

「あの程度の水のハンデはなんとかなるんじゃ…」

と、後ろから寺坂の声が聞こえた。

「水だけのせいじゃねぇ」

「寺坂！」

「力を発揮出来ねーのは、おまえらを助けたからよ。

見ろ、タコの頭上」

そこには、木の根にぶら下がった原さんの姿。