593.業side ページ20
どぉぉぉぉおんっ
と物凄い爆音が聞こえる。
木の上で休んでいた俺は、慌てて身体を起こした。
「…!?」
頭に嫌な想像が通り過ぎるのを、頭を振って払拭する。
聞こえてきたのはプールの方。
プールではみんなが…、Aが、寺坂と暗殺をしていたはず。
嫌な予感がする。
木から飛び降りた俺は、プールに向かって走った。
どうか、彼女が無事でありますように。
ばっと開けた視界の先にあるのは、
空になったプール。
「…何、これ…」
さぁっと身体が冷えていくのがわかった。
彼女、彼女は?Aは?
泳げないAは、無事なのだろうか。
横を見ると顔を真っ青にして震えている寺坂。
「俺は…、何もしてねぇ」
寺坂は俺を見ると、自分に言い訳をするかのように
ペラペラと喋りだした。
「話がちげぇよ…。
イトナを呼んで突き落とすって聞いてたのに…」
「なるほどね…。
自分でたてた計画じゃなくて、
まんまと操られてたって訳?」
こみ上げてくる怒りを必死で抑えながら笑みを作ると、
寺坂は俺の胸倉を掴みあげ震えながら笑った。
「言っとくが、俺のせいじゃねぇぞ!!
こんな計画やらす方が悪りーんだ!!
みんなが流されてったのも全部奴らが…」
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作者名:神川夏海 | 作成日時:2021年2月28日 22時