学秀くんの許嫁がE組にやって来ました Part14 (ページ11)

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…もしかして…。

「殺せんせー…」

はあはあと肩で息をしている殺せんせーを見て誰かが呟く。

…いやもしかしなくてもきっと。

「もしかして…」

と誰かの呟きを遮るように殺せんせーは口笛を吹いた。

「いや、別に泳ぐ気分じゃないだけだし？

水中だと触手がふやけて動けなくなるとかそんなんないし？」

"殺せんせーの弱点㉓泳げない"

いままでで一番使える弱点だな…。

「手にビート板持ってるし、てっきり泳ぐ気まんまんかと…」

「これはビート板じゃありません！！麩菓子です！」

「おやつかよ！！」

ビート板型の麩菓子とかあるんだ…。

ていうか、泳げないってさ…。

『あたしと一緒じゃん殺せんせー！

あたしも実は泳ぎは全然ダメでさー、すぐ沈んじゃって…』

「にゅや！！」

『なんでみんなはあんなにスイスイ泳げるんだろうね？

殺せんせーみたいにふやけて動けなくなるわけじゃないけど

水底に沈んで動けなくなるから、まあほとんど一緒っていうかさ』

たはは、と頭をかいて笑う。

「Aでも苦手なことってあんだな…」

陽斗が意外そうにそう言うから、思わず笑ってしまった。

『あたしだってできないことくらいあるわ！

完璧超人じゃないんだし！！』