『HTF』〜恋の周波数 part1〜

30.　ベッドの下のプライバシー ページ31

ガチャと扉の閉まる音が響いた。


……ふう。
やっと買い物に行ったなあ。
心配性もここまで来ると過保護だよ。

それにしても……
本当にラッセルに出会えてよかったな。
ラッセルがいなかったらどうなっていたか。
…ホームレスになってる自分を想像すると怖い。


リビングに置かれていた深々としたソファに腰を下ろす。
よっこいしょ…っと。



…さて、まずは何から手をつけようかなー。



『…………。』


アダルティ雑誌かなーそうだよなー探すかー。
ラッセルはどんなご趣味をお持ちなのかなー。
気になるところだよなー。

最初にいたベッドルーム。
健全たる男子たるもの、ベッドの下に５〜６冊隠しているに違いないと見た…！

再び立ち上がり、ニヤニヤしながらベッドルームへと向かおうとする。
だが、それは叶わなかった。




ピンポーン♪




『え…なんなんこんな忙しい時にマジ空気読めよカス……。』

ボソリと聞こえないように呟いた。
ラッセルが怪しい奴が来たら無視しろと言ってたし、このまま居留守すればいいんじゃね？
そう思い、物音を立てないようにその場にうずくまった。

よし！このまま…

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン！！！

………。

はあ……仕方ない、出よう。

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