安心して嫁ぎに来てください！ (ページ3)

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出会いページ3

A side

出会いは本当に一瞬だった。
中学2年生に進学した私は、
すぐに謎のウイルスによって学校に行けなくなった。
やっと学校に行けたのは、6月。

氷室の第一印象は暗い、だった。
久しぶりの登校に皆賑やかなのに、
前の席の氷室は机に一人突っ伏して寝ていた。

私がこの1年絡みに行くこともないだろうし、
関わらないだろうなー、と軽い気持ちでいた。

_______________

期末テストの日、左右後ろ喋る相手が居なくて
前の氷室に話しかけた。

…いや、話しかけてしまった。

この時もし私が話しかけなければ、1年間苦しまずに済んだかもしれない。
泣かないで済んだかもしれない。
でも、今さら悔やんだところでもう終わった話だ。

『ねぇ、氷室くんは期末テスト自信ある？』

私がそう声をかけると、彼は初めて私の方を向いた。

髪の毛は寝癖だらけで、
マスクをしているから目元しか見えないが
一重で眼鏡をかけていた。

無視されるかなぁと思っていたけど、

氷室『いや、全く。特に国語無理。日向は？』

と返してくれた。
私は驚いた。自分の名前を知っていてくれてたのだと。

『えー、国語めっちゃわかりやすいのに！
私は英語と数学が無理で… 』

氷室『俺英語と数学好きだよw反対じゃん』

『え、じゃあ国語教えてあげるからさ、数学と英語教えてよ』

氷室『いいよ。どこわかんない？』

『数学は関数で、英語は全般』

氷室『俺古文とか漢文とか…文章問題解けない』

『成る程、文章問題にはね、解くコツがいるんだよ__________

こうして私達は勉強を教える為に、
教えて貰うために毎日話すようになった。