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結局あの後、神楽ちゃんはステーキを追加で一つ、ラーメンとうどんを一杯ずつ頼み、やっとデザートのパンケーキに辿り着いていた。
パンケーキは自分たちで注文口まで行って注文し、自分が好きなようにトッピングをして食べる形式だったので、二人でどんなパンケーキにしようか楽しく話しながら食べた。
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パンケーキを食べ終え、もう一度ターミナルの周りを一周した頃には、既に夕日が差し込む時間帯になっていた。
帰路をたどりながら神楽ちゃんは口を開く。
「今日はとっても楽しかったアル。
Aありがとネ」
「私もすっごく楽しかった。
神楽ちゃんにも楽しんでもらえたならよかった」
私がそう返すと、神楽ちゃんはポツリと言った。
「何だか、お姉ちゃんみたいだったアル」
「え……?お姉ちゃん……?」
予想外の言葉に目を見張ると、神楽ちゃんは頷いた。
「姉御も勿論尊敬してるけど……何か、姉御とは違うお姉ちゃん感アル」
「……」
神楽ちゃんの様子が何だか寂しそうに見えて何も返さないでいると、神楽ちゃんはパッと顔を上げた。
「A、今日は楽しかったアル!
また二人っきりで買い物してネ!」
「え……」
その声にハッと気づくと、もう二人の分かれ道に差し掛かっていた。
そのまま去ってしまいそうな神楽ちゃんの背中に、私は慌てて声をかける。
「っ……神楽ちゃん、待って!」
「?」
振り返った神楽ちゃんに、私は懐から出した可愛くラッピングされた小さな袋を渡す。
「これ……お誕生日プレゼント。
喜んでもらえると良いんだけど……」
「マジアルか!?」
神楽ちゃんはパッと顔を輝かせると、私の手から箱を受け取る。
「開けて良いアルか?」
「うん、勿論」
私が頷くと、神楽ちゃんは早速包装を剥ぎ始め、中に入っていたモノを取り出した。
「わぁ!すっごい可愛くて綺麗アル!」
神楽ちゃんに渡したのは、犬を象ったキーホルダー。
「めっちゃ嬉しいアル!
この犬、定春に似てるアルな〜」
「神楽ちゃんもそう思う?
私もそう思って買ってみたの」
神楽ちゃんにも同じように思ってもらえたことが嬉しくて笑みを溢していると、神楽ちゃんは感極まったように私に抱きつきながら言った。
「A、今日は何から何までホントにありがとネ!
また一緒に買い物しようネ!」
「うん、勿論」
そう約束をして、私達は夕陽の中、手を振って別れた。
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(神楽ちゃん、遅れてごめんねby作者)
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赤羽@美羽(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2020年3月13日 9時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ面白いです!さっそくお気に入り登録しちゃいました!更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2020年3月12日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年9月11日 7時