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微妙な沈黙が続く。



「あ、あの………。」

小狐丸「お前、名は何だ。」


「わ、私、橘Aと申します…!」


小狐丸「確か何でもやると言ったな?」


「はい、何でもいたします。」



小狐丸が羽織を脱ぎ、手渡してきた。




小狐丸「直しておけ、今晩までにな。」





よく見ると羽織には穴が空いていた。
これを修繕しろということなのだろう。



「はい、かしこまりました。」



小狐丸は何も言わずそのまま部屋を立ち去った。






裁縫は得意だ、確か裁縫道具を縁側近くの部屋で見つけた気がする。




すぐに記憶を頼りに部屋を移動すると廊下で最初に顎を撫でてきた青い男と出会った。

確か彼の名前は三日月宗近だ。





慌てて壁際によって道を開け一礼する。



三日月「それは小狐の羽織ではないか?何故お前が持っている?」

「修繕を頼まれましたので………。」

三日月「そうか、精が出るのう。」




のんびりと笑って彼がゆったり横を通る。

あの人は穏やかだがなんだかつかめなくて怖い。自分をあの場から救ってくれたとはいえ、あまり関わりたくない人だ。




彼が廊下を歩いていくのを見届け、裁縫道具を探し出す。




ほとんど使われていないようで、新品同様だった。



「よしっ。」




気合を入れて針を持つ。




?「……何してんの。」



背後からボソッと声がかかった。
びくりと思わず背が震え、振り向くと、青い髪の少年が立っていた。



「羽織の修繕、です。」

?「……ふーん。」

「あ、あの……何か…?」

?「…………別に。」


ふいっと顔をそらしトテトテとどこかへ行ってしまった。
あんな子供も刀剣なのだろうか。




羽織の修繕はすぐに終わった。

ついでにアイロンもかけていると外でカラスが鳴いているのが聞こえた。


その鳴き声はどこか寂しそうにも聞こえた。

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オーキッド(プロフ) - 輝さん» コメントありがとうございます。もちろん乱は男ですが姉さんと呼ぶ方が乱は喜ぶという設定です。あまり気づいてくださる方がいないのでこのようなコメントは嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年7月23日 9時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 31話で五虎退が乱を"乱姉"と呼んでいましたが乱は男なので乱兄では? (2018年7月11日 13時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - はにーまかろんさん» はにーまかろん様、いつもコメントありがとうございます。刀剣達はまだ全面的に主人公が好きという感情を表に出したくないので刀剣:不器用かつ意地悪vs主人公:気弱、な争い(?)が起こっていく感じですね。これからも宜しくお願いします。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
はにーまかろん(プロフ) - 天下五剣の冷笑は暑い夏にぴったりですね!とまあ冗談はさておき、最新話読ませていただきました。お、これは主人公ちゃんへの独占欲が出ているのか!?刀剣男士の反応の意味を1人1人想像しながら楽しく読んでいます。長文&乱文失礼致しました。 (2016年6月26日 18時) (レス) id: 578cdfafe4 (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - (aya*)W.H)さん» ありがとうございます。どちらのシリーズでも少し重い話が入ります。これからもよろしくお願い致します。 (2016年6月15日 7時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オーキッド | 作成日時:2016年5月26日 6時

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