【刀剣乱舞】安寧少女と灰刀【ブラック本丸】

28 ページ30

「おかえりなさいませ。」


無事に帰還した6人を迎え入れる。




数珠丸の言う通り、彼らは相当強いらしく、刀装も剥がさず帰ってきた。


長谷部に書類を渡されそれに目を通す。



「……誉…？」


加州清光、という名の横に誉という文字が書いてある。



長谷部「1番戦果をあげた者のことだ。」

「そうでしたか。何か褒美になるようなものを差し上げた方がよろしいですか…？」

清光「いらない。何もしなくていいから。」




すぐに6人は自分の部屋に戻ったり広間へ向かったり、散り散りになってしまった。



大和守「あんまり清光に話しかけない方がいいよ。」


「…え？」


大和守が去り際にボソッとそう言った。


「何故ですか？」

大和守「…あいつ、夜伽頻繁にやらされてたから、女が嫌いなんだよ。ていうか殆どの刀は夜伽やらされて嫌な思いしてるから女が嫌いって人は多いと思う。」

「そ、そうでしたか……。教えていただきありがとうございます。」

大和守「…別に。あと………あいつ、言い方キツイけど本当はあんなんじゃないから。」

「はい、覚えておきます。」




じゃ、と言って彼が水色の羽織とともに姿を消した。




夜伽というのは確か夜のお供だ。


刀剣達が荒んでしまったのが審神者のせいだと思うと可哀想だと思わずにはいられない。




「……あぁ、そうだわ。」


誉をとった彼にマニキュアをプレゼントするのはどうだろうか。確か彼の爪には少し禿げてしまったマニキュアが付いていた。


干渉しない方がいいと言われたが心の傷を抱えていることを知って見て見ぬ振りはできない。



自分も、少なからず、ここにいることで気休めになっているのだから。

29→←27

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す