【刀剣乱舞】安寧少女と灰刀【ブラック本丸】

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穏やかな雨が、その日は朝から降っていた。



「……洗濯物は部屋干しですね。」





例によって1人で洗濯物を黙々と洗っていた。

何も、変わらないいつもの時が流れるはずだった。







？「ごめんくださーい。」




外から誰かが叫んでいる。客など来たことがないから分からないが、これは私が出て良いのだろうか。

いそいで広間に行き、三日月に報告をする。




「三日月宗近様、お客様がいらしたようですが…。」

三日月「知らん。適当に対応しておけ。」


「かしこまりました。」



あの日以来、刀剣たちはどこかよそよそしくなった。
更には、嫌味を言わなくなった。皆こちらを伺うような顔つきになった。





どんどんと玄関の引き戸が叩かれている。





「ごめんなさい、今開けます！」


適当に下駄を引っ掛け、引き戸を開ける。






柴田「…久しぶりだな、姉ちゃんよ。」





そこにいたのは、世界の誰よりも会いたくない人たちだった。



男3人が引き戸を押しのけ玄関にずかずかと入ってくる。
男たちの名前は、柴田、藤田、それに佐島。
全員、私の所に押しかけに来ていた、組の人たちだ。





「あ……な、…なんで………。」


藤田「いつまでたってもよォ、金が振り込まれねぇんだわ。

だから、こうして迎えに来てやったってわけ。政府のやつだかなんだか知らねえがさっさと了解してくれたぜ、すぐにここのことも教えてくれた。」


「なっ…！この間10万振り込みましたよ！」

柴田「そんな端金でどうにかなるとでも思ってんのか？あ？」


「そ、んな…っ、お願いします、やっとお仕事見つけたんです、待っててください、お願いします。」


佐島「その言葉ねぇ、もう聞き飽きた。」


ポンッと肩に手が置かれた。




その瞬間、身体中の血液がカッと熱くなった気がした。





柴田「あっ、オイ！！」




逃げなくては。








もう逃げる所などないけれど。



足もうまく動かないけれど。



助けてくれる人などいないけれど。








それでも。1人でも、私は。
私は………____________________

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