【刀剣乱舞】安寧少女と灰刀【ブラック本丸】

4 ページ6

「よ、いしょっと。」





任されたのは掃除と洗濯と庭の手入れ。


洗濯からやり始めたが洗濯機などないのでたらいと洗濯板でおよそ50人分のものを地道にやっていく。骨が折れるどころではない。



だがこれしかないのだ。

聞いていた職業内容とはだいぶ違うが彼らに言われたならやるべきなのだろう。





ちなみにできるだけ早く現場に入りたいと言ったおかげか、簡単な説明で研修を突破することができた。
なんでも、ブラック本丸を希望する者などいないから早急に政府側も私を送り込みたかったらしい。





約４時間ぶっ通しで洗濯をして、なんとか全員分のものを一通り洗うことができた。



あとは干すだけ。なのだが。




縁側から物干し竿までなかなか遠い。
この量を干し切るには何往復もしなければならないようだ。



？「ちょっと。邪魔なんだけど。」


「あ、わっ、す、すみません…！」



縁側を通ってきた青年が鬱陶しそうに手を振って邪魔だと手であしらった。


？「…本当、トロいねアンタ。見てて苛々する。」

「ご……ごめんなさい。」




動きが鈍いのは自覚している。

こればかりは申し訳ないとしか言葉が出ない。




その青年はAの方をちらりと一瞥し、軽い舌打ちをして去っていった。




「……う……やっぱり嫌われてるのかな……。」


昔からオドオドしているせいでクラスの女子にムカつくやらウザいやら言われてきたから嫌われることに関しては色々と思い当たる節はある。





「あぁ、……そうだ。今の人は………。」




急いで手帳をめくる。






確か、あの容姿は。






「……加州…清光？」

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す