【戦刻ナイトブラッド】想い、焦がれて【短編集】

空気の振動（伊達成実） ページ27

【お題】
診断メーカー 「愛してると言われたら」


穏やかな昼下がり。

のんびりとお茶を飲んでいると、愛してると突然言われた。

内心驚きつつもゆっくりと声の主から顔を背け、聞こえなかったふりをする。

でも、あいつはまた同じ言葉を繰り返した。

「愛してる。」

その言葉のせいで顔が熱くなるし、心臓が暴れだす。

その事を気づかれたくなくて、聞こえないふりを続ける。

だけど、楽しそうな声に耐え切れず耳を塞げば、

成実がこちらを覗き込みながら「聞こえてんじゃん」と踊るような声でそう言った。

その楽しそうな表情にバレては仕方ないと思いながら手を伸ばす。

『はぁ...』

短く息をつき、心臓を落ち着かせてから成実の胸に飛び込んだ。

聞こえているよ、最初から。



診断メーカー 「愛してると言われたら」

【成実の場合】
愛してると突然言われたから聞こえなかったふりをした。
相手がまた同じ言葉を繰り返す。
楽しそうな声に耐え切れず耳を塞げば、聞こえてるじゃん、と踊るような声がそういった。
聞こえてますよ、最初から。

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