【戦刻ナイトブラッド】想い、焦がれて【短編集】

幸せの形（真田幸村） ページ3

とある日の昼下がり、幸村と畑仕事をしていた。

真田軍では自給自足で食料を畑で作っていて、

基本的に幸村が管理しており、

幸村ができない時は非番の人がやってる。

「そっちは大丈夫？」

『うん。

意外と畑仕事って大変なんだね。』

「そうだね。

でも、すごくやりがいはあるよ。」

笑顔で畑仕事をしている幸村は輝いて見えた。

『夕食さ、収穫した野菜でこっちの世界の料理を作るよ。』

「ほんと！！

楽しみだな！！」

嬉しそうにしている幸村を微笑ましく思いながら、

この世界の暮らしにも慣れてきたと感じる。

「一通り終わったし、帰ろうか。」

幸村が立ち上がり、手を差し出される。

『そうだね。』

その手を取り、自分たちは帰路につく。

幸村と過ごすうちにわかったことがある。

幸村は手をつなぐのが好きらしい。

城下町や人が多い所ではつながないが、

二人の時はよくつなぐ。

最初は照れくさかったが、

今となっては当たり前となっている。

「君とずっと一緒に暮らせたらなぁ...」

そっと紡がれた言葉は心に沈んでいく。

『自分は幸村達と一緒に過ごしたい。

帰るその時まで...』

幸村を真っ直ぐ見つめる。

「俺も君と同じ気持ちだよ。」

照れたように笑う幸村と城に帰る。

『(どうかこの日々が長く続きますように...)』

いなくなってしまうくせにこんな事を思ってしまうのは幸村達と一緒にいることが幸せだから。






「(君が俺の側にずっといてくれたら幸せなんだろうな。)」

彼女の幸せと自身の幸せは交じり合うことはない事を寂しく思いながら、

彼女の幸せを叶える決意をした。

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