【戦刻ナイトブラッド】想い、焦がれて【短編集】

可愛い選択（森蘭丸） ページ20

かわいい物が好きな私は織田軍にお世話になっている。

そんな私が森蘭丸君に惹かれてしまうのは必然で、

何かあるごとに蘭丸君を頼っていた。

そんなある日、雨が降り続く城下に行ったとき、子猫が外に捨てられていた。

当然、そんな子猫を放っておく訳がなく城まで連れてきて世話をしている。

世話したかいがあり、子猫は元気に走り回るほど回復した。

『(そういえば、子猫の世話で蘭丸君と最近はなせてないな...)』

そんな寂しさを消すように子猫に夢中になっていると、クイクイと服を引っ張られる。

「もう、僕にはかまってくれないんですか？」

振り向くと上目遣いで不安そうに私を見る蘭丸君がいた。

『(うっ...か、かわいい！！)』

蘭丸君の可愛さに子猫を手放し、蘭丸君を抱きしめる。

「よかった...まだ僕のこと...」

ボソリと蘭丸君が何か言ったがちゃんと聞き取れなかった。

『蘭丸君！ごめんなさい...

子猫の世話で忙しかったとはいえ、寂しい思いをさせて。

私も蘭丸君と一緒にいられなくて寂しかった。』

蘭丸君はそっと私を抱きしめて、

「いいですよ。

こうしてくれるだけで僕は...」

私は蘭丸君の体温に安心してしまい、ウトウトと夢の中へと落ちていった。

「あぁ...眠ってしまいましたか。」

腕の中には、彼女が安心したようにすやすやと眠っている。

「僕の想いがあなたに届くのはまだまだ先になりそうですね。」

小さな嫉妬（黒田官兵衛）→←建前と本心（伊達政宗）

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