【七つの大罪】繰り返される邂逅、一縷の願い。【落ち未定】 (ページ18)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:7,005 hit

＃14【率爾】ページ18

・

・

・

「＿＿＿はい団長っゴハンが出来ましたよー♡ あーん♡」

特大の焼き魚をメリオダスにぐりぐりと押し付けるディアンヌ。大変可愛らしいとは思うのだけれど､メリオダスはそんな彼女を「無理だっつーの」と軽くあしらっている

「ねぇディアンヌ､本当に怪我はもう大丈夫なの?」

「……あらキング､彼女が本当に怪我してるだなんて思っていたの?」

ディアンヌはバツが悪そうに目を逸らし､「え? う…うん､もう平気」などと誤魔化す

「バーカ♪ 団ちょに構って欲しくてわざとやられたフリしてたんだろ♪」

「うん､私も思った……というより､気付かない方が可笑しいわ」

「ディアンヌはそんな娘じゃない!!」

キャンキャンと犬のように噛み付いてくるキングに反し､当のディアンヌは寝たふりまで決め込んでいる始末で…本当､キングは何故其処まで信じられるのだろう

言い忘れていたが､キングを含めた私達5人(＋1匹)は今､死者の都から無事生還し､自己紹介やら腹拵えやらを兼ねたちょっとした宴会をしている

「＿＿＿そうだ! この娘は団長とどんな関係なの?」

途中､思い出したようにキングが尋ねると､メリオダスは王女である事を明かした。すると､キングは正装と言って､かつて親しんだ姿に変わる

「おおっ服が変わった!」

「そこじゃねぇ♪」

「メリオダスのそれって天然なの? ツッコミ待ちなの?」

私が少し意地悪に尋ねると､メリオダスは何時も通り「にししっ」と笑うだけだった

そんな私達のやり取りを他所に､キングは王女に詰め寄る。自己紹介をしているつもりだろうが､なんか…そうは見えない

「王女とは知らず死者の都での非礼､お許し下さい!」

「ちょっとキング､そんな風に王女に近寄らないでよ…緊張し過ぎ」

「エリザベスはそんな事で怒りはしねぇよ?」

メリオダスは「本当に気が良くて優しい奴なんだ」と言いながら､さり気なくキングを王女から遠ざける

「と…とにかくもっと肩の力を抜いて下さい!」

王女は慌てて､キングにそう告げる。メリオダスの言葉に過剰に反応し､顔は真っ赤に染まっている。その姿を見て､キングは「そういう事なら…」と元に戻る

「ふ～っ久々で肩が凝った～」

「あ。服が戻った」

「団ちょの目は節穴かよ♫」

その宴も案の定夜まで続き……何時の間にか､皆は寝静まってしまった

そろそろ私も休もうか､そう思った時。

「A…ちょっと､いいかな?」

　＋＋＋＋