【七つの大罪】繰り返される邂逅、一縷の願い。【落ち未定】 (ページ13)

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#10【追走】ページ13

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「＿＿＿此処が……死者の都…?」

良くも悪くも神秘的な場所だな､というのが率直な感想だった

「ひょっとして私の母に会いたいという思いが… 私達を此処に導いたのでは…?」

「いや… 俺が食いそびれた残飯達への思いかもな…」

「…どっちも無いでしょ」

王女と豚さんの天然丸出しな意見を賺さず却下する
するとディアンヌが不思議そうに私の顔を覗き込んでくる

「じゃあAは? 心当たりあるの?」

無邪気な質問に､私は内心どきり､とする。妙な冷や汗が頬を伝う
悪気がないのは分かってる……だけどね､ディアンヌ。私にとって､

「…死んだ人間と良い思い出なんて物は無いわ…恨まれてる心当たりなら腐る程あるけれど」

くす､と意地の悪そうな笑みが零れる
私の口から溢れでた一欠片の本音は､ディアンヌの耳には禁忌のように聴こえたのか､大きな瞳を不安で濁らせる。どうやら他の者達にも聴こえていた様で､一行は不穏な空気に包まれる

「…ゴメンなさい。空気を悪くしたわね……」

「ね､ねえA! それって…」

「ストップ! 其処までだディアンヌ､『掟』…忘れたのか?」

危うく〈七つの大罪〉の掟を破りそうになるディアンヌを､メリオダスが制止する

「…いいのよ別に。何時かは…話さなくてはいけないもの。私の罪の事」

メリオダスは私の罪を知っていた。皆で一緒に働いていた時代に､話した記憶がある
だからだろうか。彼は何を言わずに頷き､何事もなかったように辺りを見回し始めた

その時､突如先程まで口を開いていなかったバンが一心不乱に駆け出した

「バン!!?」

驚きから､反射的にバンの名を呼んだ時。

「待て!!」

今度は水晶の一角の影から､もう1人の小さな影が飛び出してきた

「キング……!!?」

「……あ､そうだった」

一瞬誰だか分からなかった…というより､ピンと来なかった
彼の事を初めて目にする王女も､どうやら想像とはかけ離れていたようでキョトンとしている

「…ひとまず追っかけるか」

団長の一声により､残された私達4人(＋1匹)がバンとキングの後を追う事になった

……それにしても。バンは何か…いや､“誰か”を追いかけて行ったと見受けられた。それは私の思い違いではない筈だ

バステ監獄で過ごした日々の中で､彼の罪については何度か聴く機会があった。その真実についても。それを踏まえるとあれは恐らく､泉の───…

　真実は何時も残酷である

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