才能 【ヒカル】

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目的地に着き、さっさと機材を準備してネクステの賞金レースである戦いが早速始まる。



いつも通りのヒカルの挨拶を済ませ、今からやるのは2対2のバドミントン対決。
若くて動けるロケマサを取り合って3人は揉めている。



『いや相馬さんは何だかんだできるやん、』


｢そんなこと言ったらヒカルも名人も出来るじゃん！｣


｢…A入れたらどうでしょう｣


｢へ？｣



ネクステ全員の視線が一気に集まった。
そりゃあたしはロケマサの1つ上なだけだから、おじちゃん達に比べたら身は軽いだろうけど…



全然動ける格好をしていないし、ヘアゴムも持ってきていない。



『ええやんそれ、Aテニス部やったんやろ』


｢じゃあ相馬さんかヒカルさんか名人の代わりにAさんてことすか？｣


｢えちょっとちょっとすーごい進めるやん｣


『視聴者さんもねあんまA映してないから嬉しいんちゃうかな、特に男は』



トントントンと話が進む。
まえっさんや捧さんも乗り気になって、あっという間に参加することになってしまった。



ぐっとっぱによりチームはヒカルと相馬さん、名人とロケマサになって。
あたしが誰の代わりに入るかってことなんだけど、これもじゃんけんの結果相馬さんの代わりということになった。



そもそもロケマサと組んでる名人は別にじゃんけんに参加する必要なかったと思うけどね。



『っしゃ勝つぞ』


｢頑張らないと給料引かれる｣


『引かんけど勝ったらプラスのお小遣いな』


｢なにそれヒカル俺の時はそんなこと言わないじゃん！｣



審判の捧さんがゲームスタートの合図を出す。
ロケマサからのサーブで始まった試合は、第1セットからとても盛り上がった。



｢名人名人端っこ！やられる！｣


『A行け！ナイス！』


｢ロケマサ後ろ後ろ後ろ｣



でも、1番楽しそうにしてたのはただただ見てただけの相馬さん。
チアリーダー並にあたしとヒカルを応援するから笑いすぎてラケットが振れなくなったよ。

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