才能 【ヒカル】

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側に居た捧さんには聞こえてしまったかもしれない。
慌ててヒカルの後についてった。



全然着てないって言ってたのに何で分かったんだろ。
超能力者か？盗撮か？
どっちもないとは言いきれなくて怖いけど。



てっきり男っぽくて変だから服を変えろと言われたのかと思いきや、連れてこられたのは普通にヒカルの服が並んだクローゼット。
これじゃ別に着替えなくても同じだよ。



｢ねえヒカル、似たような服だし別に｣


『今日の企画に活きるから着替えろ。あと近くおってロケマサの匂いすんの無理やから』



企画を持ってこられちゃあ何も言うことはない。
どんどん謎が深まるばかりでどんな企画かさっぱり分からないのだが。



というかヒカル細いからあたしが着られるかな。
あたしの体に服を合わせながらぽいぽいとその辺に服をほってくけど、どういう基準なのやら。



『ん、これ着といて』



選ばれたのはReZARDでした。
上下ともしっかり。
まあこれなら視聴者さんに怪しまれる可能性も低いだろう。



『着替えさせたろか？』


｢結構です｣


『そら残念や』



昨日のことなんかなかったみたいに振る舞うから気にしてるこっちがアホらしくなってくる。
何にせよ動画を回したら気まずいだのなんだの言ってられないし、ひとまず忘れることにしよう。



ヒカルが部屋を出て数分してから着替え終わったあたしも出る。
メンバーはあたし待ちらしく、もうそれぞれの場所に座ってスタンバイしていた。



ロケマサに視線だけでごめんねと伝えると、首を振ってここにどうぞと自分と名人の間をポンポン叩いた。



｢遅くなってごめん、準備できました｣



ヒカルと相馬さんがソファーの下。
名人、あたし、ロケマサと並んでソファーの上。
まえっさんがカメラの横にいて
捧さんはハンモックの後ろらへん。



いつも通りの光景で、スタート。

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