才能 【ヒカル】

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せっせせっせと無我夢中で落ちてるものを片付け、ごちゃごちゃしたところを整理していると、いつの間にかだいぶ綺麗になっていた。



何となく流れで色んな部屋を行き来してたから
ヒカルの部屋にも入ってしまってたけど、ここには全然物がなくスッキリしてて。
寝るためだけの場所って感じ。



1回手を止めると疲れがどっと来て、少しだけ座ろうとこの大きなベッドに腰かける。
リビングに居ても邪魔だろうし気を散らせたら悪いし、ちょっとここで休ませてもらおう。



暗い中で携帯を取り出すと何件かLINEが入っていた。
その中に珍しくロケマサの名前も。



ロケマサAさん、帰ったっすか?



5分前に送られてきてる。
何かあったのかな。



Aヒカルの家にいるよ、どしたの



数分待つと既読がついて返事が返ってきた。
ロケマサは既読がついてからメッセージ来るまでのスピードが鬼早いんだよね。



ロケマサあそうなんすね、いやAさんがこないだ言ってた新発売のチューハイ買ったんでどうかなって



やっぱりロケマサは良い弟だよ。
そんなのわざわざ覚えてるの棒さんとまえっさんだけだと思ってた。



ありがとう、と打とうとしたところで急に辺りが明るくなった。
家の電気ってこんな眩しかったっけ。



『戻ってこん思たら人のベッド座って何しとん』



主(あるじ)に見つかってしまった。
慌ててベッドから下りて床に座る。



｢ごめーん…笑 ロケマサとLINEしてた｣


『ロケマサとLINEしとう暇あったらはよこっち来いや。それとも何、誘っとん？』


｢へ？｣



ヒカルがベッドに腰かけた。
いきなり何を言い出すんだ。



『ここでずっと待っとったって構図にも見えんくもないやろ』



妖しい微笑みがたたえられる。
その間にもぽん、ぽん、とLINEの返ってくる音がする。



なんか、ヒカルおかしいぞ。

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