青春のすべて2（黄） (ページ23)

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いつの間にか桜が咲いたとページ23

彼からの電話から3日後。

今日の夜に、とうとう彼と食事をすることになった。

「先輩、今日いつもより可愛いですね！」

「え、そうかな？」

「はい！メイクもですけど、なんか雰囲気が明るいっていうか。

もしかしてデートですか？」

“デート”という言葉にドキッとする。

でも、今日のはただの食事だ。

それに、2人だけじゃないしね。

「残念だけど、違うよ。」

「え～、残念。

先輩の恋バナが聞けると思ったのに。」

「期待させてごめんね(笑)」

そんなに、違うかな…？

確かに、彼が誰を連れてくるかわからないから

いつもより身だしなみには少し気を使ったけど。

.

…ほんとにそれだけ？

ふと、鏡の中を見る。

そこには、かつて彼に“可愛い”と言われたときと同じ

メイクをしている自分がいた。

彼との食事を楽しみにしていた、？

いや、そんなことない。

そうであってはいけないの。

この気持ちには蓋をしなきゃいけない。

これ以上彼のことを考えないようにするために

その日は仕事にいつも以上に集中した。