流星雨【佐野万次郎】

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今日はエマに渡したいものがあって誰よりも早く佐野家に来ていた。






真一郎
「お、Aちゃん来てたんだ！」


A
「真兄！だっこして！」


真一郎
「おいで〜、万次郎より軽いな〜(笑)」


A
「ずっと聞きたかったんだけど真兄のその髪型…なんて髪型？」


真一郎
「リーゼントだぜ！イカすだろ？」


A
「う〜ん、でも万次郎くんの髪型の方が好き！圭介の髪型も！真兄はなんか変！」


真一郎
「それエマにも言われた…、やっぱりリーゼントってモテない？」


A
「モテない！けど真兄かっこいいしなぁ〜…」


真一郎
「褒められてるのか貶されてるのか……(泣)」






それから放課後は佐野家に行くことが日課。
昼間は佐野家で夜は圭介の家、1人になることがなかった。






万次郎
「何してんの？」


A
「万次郎くんおかえり、真兄に抱っこされてるの〜。」






Aを降ろして、と言った万次郎くんの言葉で真兄は私を降ろす。
腕から抜けたら万次郎くんが急に私を正面から抱きしめた。




何が何だか分からなくて、顔が真っ赤になってるのがどうしてもわかる。






万次郎
「俺だってAを抱っこできる！」


真一郎
「分かったからAちゃん離してやんな？(笑)」


万次郎
「やだ！」


真一郎
「Aちゃん茹でダコになっちゃってるから(笑)」


万次郎
「は？……まじ、や、その、」


A
「万次郎くん、の、ばかぁっ！」






とにかく走って、万次郎くんのことばかりで頭がいっぱいだった。






エマ
「あ！A！いたの？」


A
「…エマぁ〜！」


エマ
「ええ〜？どうしたの？もう帰る？」


A
「ううん、いる！」


エマ
「やった、今日駄菓子貰ったから一緒食べよ？」


A
「有難う〜！大好き！私もエマに渡したいものあるの！」
　
　
　
　
　
　
　

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