信頼(回想) ページ44
Aside
私は病院に駆けつけた
この前まで元気そうだったおじい様は、かなり痩せて、青白い顔をしていた
それでも、私がお見舞いに来たことに気がつくと、体を起こして迎えようとする
祖父「A」
『ダメよおじい様、横になってて』
祖父「寝たきりっていうのも性にあわないんだよ」
『それでもダメなものはダメ！』
祖父「Aは厳しいなぁ」
そう言っておじい様は笑った
『おじい様、過労なんだって？』
祖父「そのようだな」
『そのようだなって…ねえ、審神者を他の人にやらせるわけにはいかないの？』
祖父「それは嫌だなぁ」
『でも、それで倒れたんだから』
祖父「いやぁ、過労の原因は審神者じゃないよ。あれはとても楽しいし、辛くないんだ」
『じゃあどうして倒れたのよ』
祖父「…さあなぁ」
『はぐらかさないで。審神者以外に何かしてるの？』
祖父「どうしてそう思うんだい？」
『おじい様人が良いからすぐ仕事引き受けそう』
祖父「ははは！よく分かったなあ。でも、少しお前の父さんの手伝いをしてるだけだよ」
『その少しがダメなんだって！』
祖父「大丈夫さ。死ぬ訳でもないし」
『そんなの…わかんないじゃない…』
祖父「Aは優しいな。それにしっかりとしてるなあ」
『もう18なのよおじい様』
祖父「もうそんな歳なのか」
『だから、たまには私のこと頼って？おじい様には元気でいて欲しいのよ』
祖父「元気だよ」
『嘘…』
祖父「元気だよ、A」
そう言うおじい様は、私の目を真っ直ぐに見つめていた
『…信じるからね？』
祖父「もちろん良いよ」
『何かあったら言うのよ？』
祖父「わかった」
『私、まだまだ話したいこと沢山…』
祖父「わかったわかった！さあ、そろそろ面会時間も終わりだろう。行きなさい」
『でも！』
祖父「大丈夫だから、な？」
『…わかった』
私は病室の出口の前で振り返った
『次来れるのは三日後だから！いっぱいお話聞かせてね！』
祖父「ああ。またな」
『またねおじい様！』
…重体じゃないのに面会時間が決められているなんておかしいことなんか、ちょっと考えればわかったはずなのに
あの時の私は
バカな私は、おじい様は大丈夫だと信じてしまった
三日後に、病院に向かった
何やら病室の前が騒がしい
どうしたんだろうと中を覗いた
そこには
おじい様が寝ていた
…元気とは程遠い姿で
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リンリン(プロフ) - 銀河さん» 遅くなりましたが、感想ありがとございます！これからも頑張って更新していきます！ (3月23日 12時) (
レス) id: f528c3e1a1 (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です！続きがとても楽しみです！ (2018年1月21日 16時) (レス) id: 1c52cf51ca (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 凪花さん、感想ありがとうございます！楽しんでもらえて恐縮です…。更新は不定期ですけど、お付き合いください。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 280584da08 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 初めて読む刀剣乱舞小説がこんなに素晴らしいなんて…ますます沼にはまってしまいました。続き楽しみにしてます！ (2017年5月8日 6時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンリン | 作成日時：2017年4月3日 18時
