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あの頃は(回想) ページ43

Aside

誰かの温もりを感じながら、私は夢を見ていた

思い出という名の、悪夢を…

❁❀✿✾

「A様はお人形みたいですね」

幼少期はこんなことばかり言われていた
使用人やお母様、親戚にも、人形みたいだとよく言われた
私がそう言われる度にお父様は「そうだろう!私の娘は可愛いだろう!」と自慢げにしてたけど、私は嬉しくなかった
私は、皆の言う「お人形みたい」とは、人形みたいに自分の意志を持ってない、という意味だということを見抜いていた
いつだったか
親の期待が重くて、自分の感情に蓋をしたのは

父「A」
『お父様!』
父「通知表、返ってきただろう?」
『うん!見て!私、頑張ったのよ!』

小学校1年生の夏、私は初めて貰った通知表を意気揚々と掲げた
きっと褒めてくれると思ったから
でも

父「なんだ、オール5じゃないのか」
『えっ…』
父「体育、4じゃないか」
『それは、縄跳びが上手くできなくて…』
父「情けない」
『でも、他の教科は5なのよ?』
父「いかんいかん!仮にもお前は橘家の娘だろう。1年生の夏からこんなことでどうする」

橘家の娘だから、オール5じゃないといけないの?
橘家じゃなかったら、4をとっても良かったの?

幼い私は、考えて、考えて、考え抜いて、感情を押し殺すことを選んだ
そのため、いつも無表情で、友達なんかできなかった
そもそも友達なんていらなかった
ただ1人、私自身を見てくれて、とても優しい姉様がいれば、充分だった

それだけで、良かったのに

高2の春、初めておじい様と会った
その時、初めて審神者という職業を知った
姉様は審神者には興味がなかったようだけど、私は少なからず興味を持った
それからは、おじい様に会う度に、審神者の話をしてもらったのだ

祖父「初期刀がね、いつもみんなを率いてくれるんだよ」
『おじい様、初期刀ってなんですか?』
祖父「審神者になる時に最初に貰う刀のことで…」

おじい様の話は面白かったし、おじい様も優しかった
姉様以外に、私が初めて心を開いた人だった
おじい様と会えるのは年に数回だったので、心を開くまでに2年近くの年月が過ぎていた

そんなある日、お父様からこう告げられた

父「おじい様が過労で倒れたらしい」

心臓が、止まるかと思った

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設定タグ:刀剣乱舞 , 一期一振 , とうらぶ   
作品ジャンル:恋愛
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リンリン(プロフ) - 銀河さん» 遅くなりましたが、感想ありがとございます!これからも頑張って更新していきます! (3月23日 12時) (レス) id: f528c3e1a1 (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です!続きがとても楽しみです! (2018年1月21日 16時) (レス) id: 1c52cf51ca (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 凪花さん、感想ありがとうございます!楽しんでもらえて恐縮です…。更新は不定期ですけど、お付き合いください。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 280584da08 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 初めて読む刀剣乱舞小説がこんなに素晴らしいなんて…ますます沼にはまってしまいました。続き楽しみにしてます! (2017年5月8日 6時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リンリン | 作成日時:2017年4月3日 18時

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