極パニック１０ ページ41
Aside
案外軽い音がするものなんだな、なんて
場違いなことを思ったりして
私は、目の前のこの状況が夢であることを願った
2つに折れた一期一振吉光は、一期の血で染まっている
そして一期は、私の手に指を絡めたまま、眠っている
……眠っている、ように見える
彼の顔は穏やかで、優しい笑みを浮かべていて
今にも「おはようございます主殿」って起き出しそうで
でも彼の顔に血の気はない
……私の、せいだ…
私が検非違使に戸惑っていたから
私が勝手に1人で走り出したから
私が迅速に対応出来ていなかったから
私が、私が、私が──！
私が、審神者なんかになったから…！！
加州「主っ！！」
『っ！』
加州「主、そんな顔しないで！」
長谷部「このことは、主のせいではありません！」
『いいえ…私のせいなの…』
大倶利「違う、あんたは何も悪く…」
『私が、悪いのっ！！！』
全員『っ！！』
頬を涙が伝う
手に力が入り、一期の手を握りしめる
頭に彼の笑顔が浮かぶ
──主殿…
──おはようございます、主殿！
──今日はいい天気ですな
『ごめんなさい…ごめんなさい、一期…！私が力不足なばかりに…私が主になったばかりに…！』
加州「それは違うよ主！」
『違くありません！私が、私の、私の刀にならなければ、一期は折れなかった！幸せになれた！こんな不幸せにならなかった！』
加州「違う違う！一期は、」
『私なんか、いっそ、いなくなって…』
パチン！！
『！？』
加州「いい加減にして！」
『か、しゅう』
加州が、叩いた
加州が、目に涙を浮かべながら、何かを堪えながら、私を叩いた
加州「なんでそんなこと言うの！一期が不幸せだったってなんで決めつけるの！」
私を叩いた加州の右手は、ぷるぷると震えている
加州「一期一振は貴方の刀剣になれて幸せだった！絶対に！」
『…っなんでそんなことが』
加州「わかるんだもん！俺も幸せだから！俺らだけじゃない、皆！皆主の刀剣になれて幸せなの！」
はらりと
加州の涙が地に落ちた
加州「お願い…一期の今までを否定するようなこと…もう…言わないで…」
お願い…と、そう言って、加州は顔を覆って泣き出した
…私はなんて愚かなのだろう
私は、人に裏切られるのが嫌で、誰のことも信じたくなかったのに
今は、どうだろう
こんなにもこの子達を愛している
ごめんね加州
酷いこと言って…
私は一期の亡骸を抱きしめ、そのまま意識を失った
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リンリン(プロフ) - 銀河さん» 遅くなりましたが、感想ありがとございます！これからも頑張って更新していきます！ (3月23日 12時) (
レス) id: f528c3e1a1 (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です！続きがとても楽しみです！ (2018年1月21日 16時) (レス) id: 1c52cf51ca (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 凪花さん、感想ありがとうございます！楽しんでもらえて恐縮です…。更新は不定期ですけど、お付き合いください。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 280584da08 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 初めて読む刀剣乱舞小説がこんなに素晴らしいなんて…ますます沼にはまってしまいました。続き楽しみにしてます！ (2017年5月8日 6時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンリン | 作成日時：2017年4月3日 18時
