私達に、素顔を ページ26
一期side
鶴丸「主？そうだなあ、美人だと思うぞ」
雪「そんなの分かってるわよ。妹はこの世で1番綺麗よ」
三日月「真面目で優しいぞ」
雪「そんなの当たり前じゃない。ていうかこの子の長所なんて腐るほど出てくるんだから、何か短所ないの？」
一期「少々無茶をするのが短所ですなぁ…」
雪「何この子無茶してるの？いつどこでどんなシチュで？」
一期「し、しちゅ…？」
三日月「おお、この前夕餉に出て来た汁物ではないか？」
鶴丸「あの白い汁物か！あれは美味かったな！」
雪「それはシチューでしょ！私が言ってるのは…！」
雪殿が声を荒げた時、主殿が「うう…」と小さく唸った。
皆『‼』
一期「ある…」
どんっ
雪「どうしたの⁉どこか苦しいの⁉」
一期「強いて言うなら肺が痛いですぞ雪殿」
雪「正直今は妹の方が大事よ」
鶴丸「何と言うか…すごい人だなぁ…」
『…姉様…っ…姉様…！』
雪「私はここにいるわ…そんなに切なく呼ばないで…」
雪殿は主殿の手を両手で包み、小さく呟いた。
雪「…A…」
小さすぎて聞き取れなかったが、それが主殿の真名なのだということはなんとなく分かった。
『…んっ…んん…ん？…姉…様…？』
すると、主殿の目が開き、藍色の瞳が見えた。
その瞳は雪殿の姿を捕えると、はっきりと光を灯した。
雪「ええ…そうよ…」
『夢じゃ…ない？』
雪「夢じゃないわ…正真正銘、私は貴女の姉よ…」
雪殿は極力お互いの真名を出さないようにしていた。
主殿もその意図を汲み取り、真名を出さないで会話をした。
と思ったら、主殿はこちらに目を向けた。
『…一期…』
一期「はっはい」
『…少し…2人きりにして貰える…？』
一期「…はっ…。行きますぞ、お二方。」
鶴丸「おう。主、気が済んだら本丸にも顔を出しに来てくれ。」
三日月「先に行っておるぞ、主よ。」
私達は部屋を出て、襖を閉めた。
少し歩くと、後方から主殿の声が聞こえて来た。
『…姉っ、様…姉様ぁっ…！あいっ…たかった…っ！』
鶴丸「主、あんな風に泣くんだな」
三日月「ふむ。普段の主からは想像も出来んなぁ」
一期「………」
─────嗚呼、その素面を私達にも見せてくれるようになれば…
三日月「何か言ったか？一期や」
一期「…いえ、何も」
鶴丸「さあ行こう。皆が待ってる」
一期「正しくは、皆は主殿を待っておられるのですよ」
鶴丸「そんなことは分かっているさ」
…もう少し…もう少し距離を縮められたら…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 233人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リンリン(プロフ) - 銀河さん» 遅くなりましたが、感想ありがとございます！これからも頑張って更新していきます！ (3月23日 12時) (
レス) id: f528c3e1a1 (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です！続きがとても楽しみです！ (2018年1月21日 16時) (レス) id: 1c52cf51ca (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 凪花さん、感想ありがとうございます！楽しんでもらえて恐縮です…。更新は不定期ですけど、お付き合いください。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 280584da08 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 初めて読む刀剣乱舞小説がこんなに素晴らしいなんて…ますます沼にはまってしまいました。続き楽しみにしてます！ (2017年5月8日 6時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リンリン | 作成日時：2017年4月3日 18時
