よく食べる ページ1
私の好きな人、宮治はよく食べる。
「角名ー、これやろうか？」
授業と授業の合間の10分間の休みでさえなにか食べ物を口にしている彼は、いつものように角名くんにお菓子を進めている。
「いらない」
…あ、断られた。
俺が食べる分増えるだけやから、いいんやけどな。
そんな表情をして、断られたことに少しムッとした宮治は、またひとつ小さなチョコレートを口に放り込んだ。
かわいい。
ちょっと想像して欲しい。
身長180センチ越えで、強豪である稲荷崎のバレー部でスタメンを張っている彼が、その大きな体を学校の小さな椅子にしまいこんでいる姿を。
かわいい以外の何物でもない。
それに加え、好きな食べ物はなんと『めし』。
正直ちょっと意味がわからないが、彼が好きならそれでいいのだ。
「なんや角名、そんなにこっち見てやっぱり欲しいんか？」
「よく食うなあと思って」
角名くんの意見には同意しかない。
断ったはずなのにやっぱり宮治は角名くんにチョコレートを勧めている。
サービス精神旺盛なのも、彼のいいところだ。
「飯食うとるときと彼女とおる時が、一番幸せやもん」
そう。
宮治には彼女がいる。
「いきなり惚気かよ。勘弁してくださーい」
「惚気やなくてほんとやもん」
『もん』って言って許される男子高校生って、一体いくらくらい居るのだろうか。
宮治の話し方や、仕草、例えシャーペンを置き席を立つ姿だとしても、すべてが愛おしい。
「はー、やっぱうま」
美味しそうにチョコレートを頬張る彼をみて、幸せに浸る。
私はいっぱい食べる、宮治が好きだ。
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蒼凪 - おおお、まさかの最後ですびっくりしました！ (2020年8月12日 13時) (
レス) id: 7c87ff4c21 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇおれ(プロフ) - ブルームーンさん» そう言っていただけるのが、何よりも嬉しいです。読んでくださって、ありがとうございました！ (2020年5月31日 14時) (レス) id: 8f8064a962 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - 互いを大切に思う気持ちが、行間から感じられる素敵な物語でした！ありがとうございました。 (2020年5月31日 13時) (レス) id: 515d842a55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かふぇおれ | 作成日時：2020年4月19日 0時
