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43.飛び込んで溺れてみたのは恋だった。 ページ44

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激しい音とともに綺麗に舞い上がる花火は、君の瞳をキラキラさせていた。




花火を見つめる君を、ただただ見つめることしか、俺にはできなかった。





「なぁ、A」




「なぁに、凛」




「好きだ。」








俺がそう言うと、花火から目を背けて俺をじっと見つめるA。その綺麗な藍色の瞳が俺は大好きだ。




瞳だけじゃない、頭からつま先まで、全部すき。





ベタだけど、花火よりお前の方がずっとずっと綺麗だなんて、くさいことかんがえて。








「なぁ、すきだ」




「…」




「俺、お前のことすげーすきだ…」






お前の下らないジョークも
お前のかわいげのない喋り方も
お前のいつも耐えないその笑顔も



お前の抱え込んでしまう性格も
お前の自分より人を優先する優しさも
お前の人よりちょっぴり短気なところも。





全部ひっくるめて。






「わりぃ…俺、お前のこと愛してるわ。」









そう言って、こちらへ引き寄せて抱きしめた。
聞こえるAの心臓の音が。妙にリアルで、鼻をくすぐる柔らかい匂いはなんだかドキドキさせられた。







なぁ、返事を。聞かせてくれ。








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「最近まで宗介のこと好きって言ってたやつが、なにいってんのかって思われるかもしれない





恋に恋してた、ただの馬鹿な私を凛はいつか嫌うかもしれない。





喧嘩だってするだろうし、私よりも魅力的な女の人に出会うかもしれない。





未来なんてわかんないけど、それでも私は、なんでか凛のことこれから先ずっと好きでいれる気がしてる。」









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「だから、こんな私でよければ、付き合ってください。」









.




花火の音にその言葉がかき消されないように
大好きな、大好きな、Aの唇にキスをした。







「A、ほんとか?ほんとに、俺のことがすきなのか?」




「すき。だいすき。」




「…やべ、超嬉しい。」









.









「うん。わたしも!」

epilogue→←42.お前の返事を



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いるか(プロフ) - 連続コメント失礼します。めちゃくちゃ良かったです!!!感動しました。登場人物一人一人の心情がきれいに書かれていて、胸がきゅーってなりました。本当に素敵な作品でした! (2017年12月24日 1時) (レス) id: 292db9496d (このIDを非表示/違反報告)
いるか(プロフ) - 素晴らしいです!読んでるこっちも胸がとてもきゅーってなります...。めちゃくちゃ辛いです...。早く読み終えたい!!これからも頑張ってください。 (2017年12月24日 1時) (レス) id: 292db9496d (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは - 完結おめでとうございます!渚メインの次回作期待してます!渚大好きなので楽しみです!次回作も是非読ませていただきます! (2017年9月19日 0時) (レス) id: e7eb8e6345 (このIDを非表示/違反報告)
夏鈴桃(プロフ) - 月夜さん» つく!ありがとう!完結できたことに感謝!(`・ω・´)応援してくれてありがとねー! (2017年9月18日 23時) (レス) id: 8b8547a2d7 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 最後もう本当に泣いた...完結おめでとう!次回作も楽しみにしてます!頑張って! (2017年9月18日 23時) (レス) id: 0eb55a2f1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏鈴桃 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月25日 0時

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