【Free!】飛び込んで 溺れてみたのは 恋だった

27.抱きしめていた ページ28

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｢…凛、ちょっといい？｣




いきなり、部屋に入ってきたかと思うと、フラフラと俺のベッドに座り込んで、俯いたままそう言うAに何故か驚きもせず、俺は向き合った。





目が赤くなって腫れている。多分、泣いたんだろう。今も、少し呼吸が苦しそうだ。






なぁ、宗介だろう。
宗介と付き合うことにでもなったのか？俺はもういらない？




そんなの、嫌だ。
お前の隣にいるのは俺でありたい。困った時に助けてやるのも、俺がいい。





有り得ないくらいの独占欲に自分自身で呆れていると。Aは俺の手を握りしめた。まるで、そんなことないと言われているようで、ドキッとした。









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｢わたし、宗介のこと、諦める。｣







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不意にAの口からこぼれたその言葉に俺は頭がついて行かなかった。







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Aが、宗介のことを、諦める…？





それは、俺が想定していた事実とは全く異なることで。そしてそれは、俺が密かに願っていたことだった。







それから一連のことを話すAを見ていると胸が張り裂けそうになった。辛かっただろう。苦しかっただろう。





気づいたらそんなAを抱きしめていた。

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