【Free!】飛び込んで 溺れてみたのは 恋だった

18.ときめいた瞬間 ページ19

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Aside




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｢で、きた！｣



14:50分。ギリギリ準備が間に合って、慌てて寮を駆け下りる。



私なりに、がんばっておしゃれして、ガッツリ女の子をしている。少しでも、宗介に可愛く見てもらいたくて。





少女漫画に出てくるヒロインみたいなそんなキラキラした女の子の気持ちを噛み締めながら、一段一段階段を降りていく。





すると、いきなり現れた男の子に勢いよくぶつかってしまった。





｢わりぃ！………って、Aか？｣




よろけて、尻餅をついた。慌てて謝ろうと顔を上げると、目に入ったのは綺麗なルビー色の髪の毛と目。





こんな、綺麗なルビー色。一人しか私は知らない。
凛だ。間違えなく、凛だ。




｢凛！大丈夫？怪我ない…？｣





慌てて、凛の方に駆け寄ると、｢大丈夫だ。｣と優しく微笑んでくれて、ホッとため息をこぼした。




選手が怪我なんてしたらそれこそ一大事だ！
とギャーギャー騒ぐ、私に呆れたようにため息をつく凛はつくづくお兄ちゃんだと思う。




｢あ！そうだ！凛、この服おかしくない？私可愛い？｣




｢………すんげー、かわいい。｣




｢えぇ！？ちょっとそれ本音？｣




そう言って笑うと、顔をしかめっ面にさせて、真っ赤にさせる凛。なんだか可愛くて、笑いがこぼれた。





｢ねぇ、ホントの事言ってね！変と思わなかった？｣




｢お前、すんげー綺麗だよ。｣





そう言うと、私のおでこと凛のおでこをコツン、と合わせられて、すごく距離が近くなる。もう少しで唇と唇が届きそうな距離。





私の頬に手を添えて、愛おしそうに優しく笑う凛を見て、ドキンと胸が高鳴る音がした。





なんで、そんな綺麗な顔をするの？
なんで、そんな優しく笑うの？







(ときめいた瞬間)

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