邪魔者は、だれ。 ページ18
りんご飴をちまちま食べていると、とある背中を見つける。
「ーーーあ」
長い髪の毛をお団子にし、紫と白の浴衣を身にまとって向日葵みたいな笑顔を振りまいている。
その姿を見つけた瞬間、本能が、告げた。
「角名くん、あっち見よ、」
「…？うん」
その影から逃げるように、反対方向へ角名くんを引っ張る。
急いでこの場から離れないと。
角名くんが、見つける前に。
彼女達が角名くんを、見つける前に。
「…あ、角名くん」
その控えめな声が、五月蝿いお祭りのなかでも鮮明に耳に届いた。
切り取られたように。
美しい見た目とは反して少しハスキーな声が、より愛らしさを生んでいた。
その声に合わせて、角名くんが後ろを振り返る。
こうなってしまったら…私は、邪魔者だ。
「あ、いざき、先輩」
「はは…角名くんも、来てたんだね」
その相崎先輩の声が酷く悲しげで、胸が痛くなる。
私でもそう感じたんだから、きっと角名くんはその何倍も苦しい。
だって、彼女の誘いを断って今、角名くんはここに居るから。
「あのさ、角名く、」
「澄子ー！！早く行こおや〜」
相崎先輩が、角名くんに声をかけたのと同時に、先輩のお友達が彼女を呼ぶ。
それに、私は少しだけほっとしていた。
最低だ。でもそれだけ、焦燥感があった。
二人の会話は聞きたくなかった。だって、私はただの平凡な女子高生で、反対に相崎先輩はかわいくて人気者。
その二者が並べられたら、一溜りもない。
「……ごめん、またね」
「…わかりました」
ちら、と私を見てから、相崎先輩はお友達の元へ帰っていく。
その後ろ姿もなんだかとっても美しいものに見えて、泣きたくなった。
「A、行こっか」
私の表情は多分、強ばってたんだろう。
そんな私を一瞥して、角名くんは眉を下げて笑った。
ねえ、角名くん。
私、あなたがほかの女の人のことを考えてるのが、とっても嫌みたい。
こんなにも心が狭いって、知らなかった。
「…うん！」
すべて、抱えていた負の感情全てを振り払うよう、ニッカリと笑った。
はやく、なくなれ。こんな想い。
ただただ、角名くんとのお祭りを楽しみたい。
はやく消さなくては。おかしな独占欲と嫉妬なんて、あってもろくなことが無い。
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ruu - なんかもう、、いろんな感情が混ざり合って苦しくて苦しくて、、途中から大号泣でした、、笑 言葉選びがすごく素敵な作品で思わず感情移入しすぎてしまいました…素敵な作品ありがとうございました！ (3月18日 5時) (
レス) @page47 id: 0c6a3d0620 (このIDを非表示/違反報告)
fjkkork(プロフ) - 本当に少女漫画見てる気分になりました！号泣ものです。素敵な作品をありがとう‥ (2021年1月2日 19時) (レス) id: 2a56967181 (このIDを非表示/違反報告)
ピ(プロフ) - うわーーーｷﾞｭﾝｯｷﾞｭﾝした、、ツムと結ばれて欲しかった〜泣 (2020年11月13日 5時) (レス) id: e3a365bbc6 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇおれ(プロフ) - ばーどさん» 恋愛の苦しさと楽しさを含めた作品にしたかったので、そう言って頂けてとても嬉しいです。ばーどさんが涙してくれたのなら、私も一緒に涙を流したいです笑 ここまで読んでいただいきそれと心温まるコメント、ありがとうございました！ (2020年8月9日 19時) (レス) id: 8f8064a962 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇおれ(プロフ) - ユノさん» 眉毛を下げる笑笑 とっても素敵な表現で、ぜひ小説で使いたくなりますね笑 ここまで読んでいただき、それと嬉しいコメント、ありがとうございました！ (2020年8月9日 19時) (レス) id: 8f8064a962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かふぇおれ | 作成日時：2020年5月28日 17時
