アルジャーノン (ページ8)

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なるせくんとあらきくんはきっとというか

絶対モテるんだと思う

1人で帰る時よりも女の子の視線が多く突き刺さっているから

　
(私殺されないよね)

そんなバカみたいなことを考えてた

　
思っていた以上に会話は弾んだ

何型とか、趣味とか、よくある質問をし合って

意外にもなるせくんは話の膨らませ役に回って

あらきくんは2人の話でいちいち笑って

楽しいと思った

「じゃあな俺こっちだから
　
え、てかなるせ…あーいやなんでもない」

　
あらきくんはニヤニヤしながらそう言って背を向けて帰った

「行こっか」

　
なるせくんの声で私たちは歩き始めた

「そういえばさ、めいとさおりさんがさ幼馴染なの

知ってた？」

『知ってたけど、さおりさんって笑
　
あの子そんなキャラじゃないけど』

　
「いやあんま喋ったことなかったからね笑」

　
『あ、そーだ
　
傘ほんとありがとね助かった』

　
話すことがなくなりそうなところで思い出してホッとした

「あーね
　
ま、でもよかったね見つかって」

『そう、それでねあのお返ししたくて
　
なんか好きなものとかなんでもいいんだけどある？』

一瞬驚いた顔してたけど、引かれてはない感じだ

「え、いやいやなんで十分十分」

『だめだめ、私がしたいから
　
言うこと聞いて』

そう言うとなるせくんがいきなり笑い出した

それを見て戸惑っている私に

　
「なんでそんな上から目線なんだよ
　
おかしいだろ」

　
と言って

　
「んーじゃあ
　また一緒に帰ってよあらきは知らんけど
俺友達まっっじで少ないから」

　
とも言った

私からなるせくんへのお返しなのに私がもらってばかりで

『そんなんいつでm』

　
「あーはいはいナメてるわ
　
ほんとに俺どんな時でもどんな状況でもついてくよ
　
いいのね？」

楽しい

この人といると楽しい

　
そのままの私を出しても受け入れてくれる

そんな気がした

『なにそれ笑』

結局私の思い描いていたお返しはできないけど

この日から私となるせくんの距離は近くなっていった

「あ、お返しやっぱちょうだい
　
連絡先」

『え、なに今の

　セリフみたい』

　
「ふざけんな笑」

「Aって思ったより面白いわ」

　
そう言って笑った

連絡先も交換して、私の家の前まであっという間だった

　
　

　

　