アルジャーノン (ページ27)

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確かあの問いかけに対しての答えを

俺は言っていない

言えなかった

自分でもよく分からなかった

ただ

ー｢なんか、昨日はただ単純に楽しかったのに

今は、胸が苦しいから｣

彼女のこの言葉が

何を表しているのかは

すぐに分かった

だけど

あいつは勘違いしてるだけだとそう思った

ー『…それはさ』

『きっと黄昏時だから』

とっさにそんな言葉を並べて

臆病な自分を守ったんだ

それでいい

今が楽しければそれで

そう分かっていても

彼女がそばに居ると

もっと知りたいと

近づきたいと思ってしまう

『何やってんだまじで』

別に好きなわけじゃない

その言葉はもう通用しないのか

ﾌﾞﾌﾞ

今へと意識を連れ戻すように

スマホが震えた

「(写真)」

「さっき一緒に見た時に実は写真撮ってたから｣

「なるせにもあげる」

Aからさっき見た夕日の写真が送られてきていた

「ありがと」

「保存しとくわ」

そう送った

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それから特に変わりなく1週間が過ぎた

体育祭に向けての準備も着々と進められ

放課後練習をするために残る人が結構いた

この2人も選抜リレーに出場する為か

他のメンバーの2人を集めて話し合っている

俺は肩肘をついてそれをぼーっと聞いていた

「走順はこれでいいっしょ｣

「一昨日やって見た感じ良さげだったしね」

「じゃあ今日はもうほんと練習だけやってって感じ？」

(体育祭か)

やる気がないからか全く実感が湧いていない

「じゃそれでやってこ｣

話が終わったのか2人が抜けていった

『終わった？』

「うんまあ一応は」

「なるせは集まりとかないの？｣

『いや秒で終わった

俺がやる競技、練習ほぼいらんからね』

「なるせもっと闘志燃やせよ！！」

『お前ぐらいだろそんな燃えてんの』

「まあめいちゃんは運動好きだしね」

『ようやるわ』

体育祭ガチ勢に感心しながら

Aも無理やりやらされてんのかなとか考えていた

「なるせーなんか面白い話ないの｣

『え急に振ってくるじゃん』

「いやそれ俺も聞きたいと思ってたんよねー」

話を振るめいに便乗するあらき

『ハードル高くないその振り方』

「んーじゃあ話しやすいように絞るから」

『…？』

何を言いだすのかとめいを見て待った

「まあそうだな
Aに関しての話とか」

(Aの話…？)