24 ページ24
なるせside
昼はめいとあらきといつも通り購買に向かった
聞き覚えのある声が聞こえて辺りを見渡すと
やっぱりあの二人がいた
『めい、さおりいるけど声掛けなくて大丈夫?』
ほんとはそんなことどうでも良くて(めいごめん)
Aと何も喋らないまま
放課後になって一緒に帰るのは少しハードルが高い気がした
ま、ウォーミングアップみたいなさ
あるじゃんそういうの
あるのよ
「あ、ほんとだー
合流しよーぜ」
思惑通りにいった
あらきが喋っている時に
あいつがあらきをめっちゃ見てるのがすごい気になって
同じことを思ったのかさおりがAにツッコんだ
「…え、あごめん
なんかあらきくん変だと思って」
相変わらずだ
Aは人を笑顔にする力がある
本人は無意識だろうがそんなのはどうだっていい
ただそれがめいとあらきにも知られてしまったのが
なんとなく少し気にさわった
一緒に昼を食べることになって
偶然にも俺とAのペットボトルが空になりそうだった
昨日のように話が尽きないまま自販機に向かった
3人のところに戻る手前
「なんでよ
じゃあ私はこのお茶私が作りましたって言っとく」
『それはもう生産者の顔写真が乗ってるやつなのよ
野菜とかでよくあるやつやん』
Aのボケなのか天然なのかよく分からない発言が
素直に面白かった
こいつは顔に出やすい
予想以上にウケたのが嬉しかったのかご満悦な顔をしていた
(かわいい)
俺が撮った写真を顔を赤くしながら消してというAが
またかわいくて
『はいかわいいかわいい』
とか冗談っぽく言って誤魔化した
自販機から戻ると相変わらず元気なやつが俺に絡んできた
「なるせ俺のはー?」
『逆になんでめいの買ってきてると思った?』
「ずるいよなるせだけさー」
「めいちゃんさっき頼めばよかったじゃん」
『そーだよ
しかもお前ずるいとか頭おかしいよ言ってること』
「あらきなるせが暴言吐いてくるんだけど
いじめちゃおうぜ」
「アッハッハッハ」
『こわお前
思考回路バグっとるやん』
ここでの会話が終わって
Aの顔が赤いとかなんとかっていう話になった
さおりになにか言われたのか
確かに顔は赤かった
そんなAを笑ってじっと見ていると
あっちもこっちを見て何故か少し睨んできた
97人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:メル | 作成日時:2023年4月2日 17時