アルジャーノン (ページ15)

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…ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

朝のチャイムと一緒に私もため息をついた

「とりあえず朝の時点ではここまで決まったので
また帰りのHRで残りを決めたいと思います

各自、休み時間などを上手く使って
種目等考えておいてください
以上です」

体育委員の人が座席に戻っていく

【昼休み】

「A」

財布とスマホを手に持ってやってきたさおりと

一緒に購買へ向かった

「なんか元気ないけど笑」

私が選抜リレーに出場することが決定されて

落ち込んでいることに気づいているんだろう

少し笑いながらさおりが言った

『うるさいなぁ…

体育委員の安藤さんの早く決めたいんですけどっていう圧がす
ごくてもう出ますとしか言えなかったよね』

「そりゃあ放課後なんて早く部活行く
もしくは早く帰りたいもん｣

…帰ると言えば、今日って

『…っ』

今になって緊張してきた

心臓の鼓動が少しだけ速くなった

「あれ、めいちゃんたちかも｣

(…え今のタイミングで？)

非常にまずい

平常心を保てる自信が無い

(どうしよう…)

「A、何突っ立ってんの行くよ」

『えなんで』

「いやなんでって購買行くんでしょ

そっち方面にめいちゃん達もいるしついでにと思って」

「まだ何も買ってないみたいだから、
購買に行く途中っぽいしワイワイ行った方が楽しいじゃん」

『…』

ヤバいこんなの初めてだ

普通にしてれば大丈夫なのに…

何にそんな緊張してんだ私は

「…？
あぁ、なるほどね」

「だいじょーぶ
そんな緊張しなくても
私たち邪魔しないからね♡」

絶対楽しんでる

『ちょっと…』

反論しようとした瞬間に

心の準備がまだできてない私の耳にめいちゃんの通る声が

届いた

3人がこちらへ近づいてくる

どうしても私の視線をなるせの方に向けることは出来なかった

「購買行くの？俺ら今から行くけど」

あらきくんは私となるせのことは何も言ってないとでも言うような口振りでそう言った

(あらきくんって二重人格なのか…？)

私は少し不思議に思いながら

無意識にあらきくんをじっと見てたらしい

「A、あらきくんのこと見すぎ」

『…え、あごめん
なんかあらきくん変だと思って』

私が変な発言をしてしまったのかみんなが笑っている