イナシリ短編集 (ページ6)

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ギリメイ【喧嘩と仲直り】ページ6

メイア視点

事の発端は、フェイの一言だった。

「そういえば、メイアとギリスって、いつも仲良しだよね。喧嘩とか、したことないの？」

そういえば、1度だけ、10歳くらいの頃にした記憶がある。

「僕とメイアが？喧嘩なんてしてないさ！」

「いいえ、したわよ？覚えてない？」

「そうだったかな？メイアの美しさで忘れてしまったよ！」

「まぁ、ギリス嬉しい！」

「そこのバカップルたち、ちょっと黙ってね？皇帝の言うことは絶対だよ！」

「はいはい、フェーダは解散したんだから、皇帝の権限とかないよ。」

ヨッカがSARUをたしなめた。いつものことだから見慣れたけど。

「じゃあ、その喧嘩の話、聞きたい！」

と、フェイ。

「うーん、いいわよ。」

私はみんなに10歳の時の事を話した。

私とギリスが初めて喧嘩した日。

ー回想ー

「ギリス！今日もかっこいいわよ、そのヘアスタイル！」

「メイア、君は今日も全てが美しいよ。」

他の人達にわかるように訳すなら、これは、朝のおはようの挨拶だ。

でも、私はその日、髪の結び方を変えた。

それに気づいて欲しくて、髪をいじる仕草を増やしたり、この頃の私なりに努力をした。

それなのにギリスは、「あれ、髪変えた？」とか、「髪可愛いね。似合ってる」とかの反応を一切してくれなかった。

「ギリス、間違い探し！私、普段とどこが違うでしょう！」

これでいい加減気付くだろうと思った。

でも、ギリスはなかなか答えず、考え込んでいた。

私の堪忍袋の緒が切れた。

「ギリス最低！髪変えたのにすら気付かないなんて！」

「そんなのわからないよ！」

そんな言い合いの喧嘩だった。

ー回想終了ー

「って感じよ。わかった？」

「へー、喧嘩とかあったんだね。意外…えっと、何だっけ？喧嘩する程仲が良い？」

「あの喧嘩があったからこそ今仲良しなのかもね。」

「流石僕のメイア！考え方が凄くいい！」

「あら、ありがとうギリス。」

この先、一切喧嘩をしないとは限らない。

でも、そのたびに仲直りを続け、もっと仲良くなっていきたい。