イナシリ短編集 (ページ12)

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蘭ジャン【救出成功】ページ12

ジャンヌさんの救出に成功し、ジャンヌさんは、霧野さんの家にいます。
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霧野視点

「ランマル～、リョクチャを持ってきました！」

ジャンヌは、最近、日本の文化に興味を持ったようで、毎日のように緑茶を淹れて、持って来てくれている。

「ありがとな、ジャンヌ」

「あらー、ジャンヌちゃんお茶、今日も作ったの？お母さんにも、作ってもらっていいかしら？」

「ええ、もちろんです！どうぞ！」

どうして母さんが、目の前にフランスの英雄、ジャンヌダルクが居るのに一切動揺していないのは、慣れとか、そういったものでは無い。

母さんの歴史に関する関心が低過ぎるだけである。

なにせ、最近になって、織田信長のした事を覚えたくらいなのだから。

「お父さんが帰ってたら、飲ませてあげたい位美味しいわね～」

父さんが嫌いな訳では無く、むしろ好きなのだが、父さんは歴史に詳しい。今帰ってこられると、都合が悪い。

取り敢えず、母さんには、フランスからの留学生で、しばらくジャンヌはうちに泊まると説明してある。

「ランマル、こっち向いて下さい！」

「ん？どうした、ジャンヌ。」

chu

え？今、何が起きた？

え？え？

「好きってことだそうです！カリヤに聞きました！カリヤは、こうしたら喜ぶと思うって言ってたんですが……」

「う……うん？狩屋にはいつ聞いたのかな？」

ああ、俺の顔は、今頃真っ赤なんだろうな……

「嫌でしたか…？カリヤには昨日聞きました。……ランマル！顔が真っ赤です！風邪引きましたか!?」

「じゃあ、あとは二人で仲良くね～」

空気を読んだのか、母さんは、リビングを出て行った。

「ランマル、体温計、持って来ました！えっと……どうするんでしたっけ？まず、ここのボタンを押して…できました！熱、計って下さい！」

「いや、これは熱じゃなくて、その……」

「ランマルのお母さんが熱を計るのを嫌がったら体調が悪いって言ってました！」

ジャンヌは、泣く直前みたいな顔をしていた。

うん、ここで計らないって言ったらジャンヌ泣くな。

「わかった！計るから。ね？」

「良かったです！はい、どうぞ！」

そう言って、ジャンヌは、ソファの俺の隣の位置に座った。

しばらく経って、体温計の音が鳴った。

隣では、ジャンヌが俺の肩に寄りかかって寝ていた。

顔、もっと真っ赤になりそう……

ジャンヌを助けて、良かった。

幸い、人が居なくなったりしなかったし。

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